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共認収束への大転換⇒実現の時代へ(9)業態革命の背景~なぜ業態革命が起こっているのか<農業編>~

’12年以降、いよいよ実現の時代に入りました。
 
人々が社会をどうする?を自ら考え、答えが欲しい、答えを出そうという気運が高まっています。
しかし、この気運はある一つの事象のみによってもたらされたものではありません。人類500万年の歴史の中で、約6000年続いた私権時代が’70年の貧困の消滅をもって終わりを迎えました。
そして今私たちは、その後100年をかけて新たな時代(私権原理→共認原理)に転換していくその大きな流れの中に生きているのです。
 
このシリーズの狙いは、まさに‘70年貧困の消滅に始まる共認収束の大潮流を謙虚に学び、近50年の状況を歴史段階的に読み解くことで、次代の新たな可能性の提示を試みるところにあります。
 
前回までの記事では、’70年以降から’12年の実現の時代に至る過程での、意識潮流とそれによる社会状況の変化を見ていきました。
 
今回からは視点を変えて、「実現の時代」という認識が、現実の生産関係の中で見た場合にどのような認識として捉えられるかを追究していきたいと思います。


今、現実の様々な生産関係の中でどのような変化が起こっているかを見ていくと、そこには「業態革命」とも言えるほどの根底的な転換が生じていることがわかってきました。おそらく、この「業態革命」の中身とその要因を正確に捉え、それを速やかに事業方針に繋げることなしに、企業としては生き残れない時代に入ったものと思われます。
 
よって、この「業態革命」とは何なのか、どのような要因で起こっているのかについて、それが特に顕著に現れている「農業」と「教育」の事例から明らかにした上で、そこでの共通構造を抽出し今後求められる新しい認識を提起してみたいと思います。
 
まず今回の記事では、「農業」の事例を扱います。
 
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・業態革命の事例<農業編>

農業経営者の視点(農業経営をする視点)を5つの事例から実現方針にむかってポイントを絞り込む。
 
『わらび座』:最大の特色は、観客組織力、会員組織力といった消費者の組織化にある。核引力は演劇。演劇を集客源として強固な会員組織をつくり、地元に客を呼び込んで様々なイベントを開催している。
 
『モクモク手作りファーム』:わらび座と同様、消費者の組織化に特色がある。核引力は主にソーセージづくりなど、豚の加工。豚の加工を集客源として会員組織をつくり、自然体験など、様々な体験事業を開催している。
 
『和郷園』:販売経路を農協ではなく、直接スーパーや飲食店など、新しい販路の構築をしているのが特色。販路開拓の武器は商品力・技術力にある。注目点は、商品・技術における差別化ができなければ、群を抜いて販路を構築するには至らないという点。
 
『マイファーム』:貸し農園方式。ただし、巨大な資本にモノを言わせて農地を取得し貸し農園をしているのではなく、資本力が無いので農地そのものを借り賃貸料を払って、その差額で収益を得ている。この事業の注目点は、週末農業など都市における貸し農園需要が増えてきた点、かつ農家にとっては都市住人に貸す方がつくるよりも利益が出る構造にある点。
 
『グリーンファーム』:この10年、年々増えてきている産直・直売方式の代表格。農協に代わる販路開拓の究極の姿。生産者が消費者と直接結びつこうとするやり方を実現している。ここでの注目点は、販売経路の確保として究極な姿であることが1点と、もう1つ経営上の視点として大きいのは、かなりの規模で直売所の出店が増加し、かつそのほとんどの直売所でほぼ黒字経営を達成できている点。
これら全体を受けて、結局、現代あるいは近未来にかけての農業経営のポイントは何なのか、について狙いを絞り込んでいくと、農家にしても、消費者にしても、組織化そのものが重要だとわかる。
要するに、
まずは販路の開拓、言い換えれば消費者の組織化。
それを実現するためには、農家をどう組織化するかにかかっている。
そして最後に、消費者や農家をうまく組織するためにも、結局は差別化商品、技術開発が不可欠になってくる。
 
8/12なんでや劇場1 農と塾における業態革命~農の経営は、販路の開拓、農家の組織化、技術開発の3点セットの構造が基本 [1] より>

 
 
もはや農業はつくるだけではどうしようもなく、販売と組織化を実現しない限り、もはや突破できない。そして、そういう発想を持って外部から参入してきた、ある一群の企業だけが成功を収めていることがわかります。
 
・業態革命の背景にあるもの“自給志向”
では、上記の成功事例を成功足らしめている要因とは何なのでしょう。
それは人々の中に芽生えた新しい意識潮流“自給志向”に応える経営をしているという点です。
会員制の体験事業も貸し農園も、消費者が自ら生産に関わりたいというまさに自給そのものを実現させる商品です。また直売所は、自給とまでは行かずとも、まずは生産者と繋がっていく、あるいは生産者同士で繋がっていくなかで、自分たちで安定した農業の生産基盤を作っていきたいとうような期待=自給志向に応える農業経営の形なのです。
 
この人々の自給志向をキャッチしそれに応える商品、供給を実現している経営が農業における業態革命なのです。
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・なぜ“自給志向”なのか
この自給志向が高まってきた背景には、このシリーズで繰り返し扱ってきた’70年の貧困の消滅に端を発する二つの大きな軸があります。
 
①市場からの脱却

70年の段階で既に市場の終焉は明らかであったが、その当時、99.9%の人々は、そんなことは夢にも気づかず、市場は薔薇色だと思っていた。実際、70年代、80年代は、まだ伸びる余地は残っていた。しかし、さすがに85年、伸びる余地が無くなってくると、金融経済に舵を切り数字上だけの誤魔化しの経済成長を続けてきた。
それが08年リーマンショックに始まって、今回の311をきっかけに、市場の終焉が潜在思念的にほぼ共認された。つまり、70年代・80年代と10年代の決定的な違いは、ここにある。もし、そうだとすれば、市場からの脱却というベクトルは当然発生する。すると、とりあえずは自給自足という発想にいきつくのもわかる。
 
8/12なんでや劇場6 農と塾における業態革命~他の業界も業態革命が起きていないのか [2] より>

 
②共認充足第一(私権収束から共認収束への大転換)

実は、自然志向とか節約志向、自給志向も、共認充足第一というファクターが強く影響を及ぼしている。おそらく歴史的に、共認充足が充分に得られていた時代、要するに私権時代以前の時代は、自然と一体であった。共認充足とこの自然志向は一体化する構造にある。さらに言えば、共認充足の最遠点には、実はかつての自給自足という自給志向とも密接に繋がっていると思われる。
 
8/12なんでや劇場4 農と塾における業態革命~業態革命が必要となってきたのはなぜか [3] より>

 
・まとめ
今回の内容を図解化したものが以下になります。
 
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自給志向という新しい意識潮流を捉えそれに対し、新しい業態作り、供給する体制を実現している人たちにより業態革命が進行中です。逆に言えば、この業態革命を引き起こすほどの新しい潮流(自給志向)に応えていかなければ、勝ち残っていくことはできません。
 
次回は別業種、塾業界における業態革命を取り上げます。

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