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野田新首相誕生 小沢の連敗と民主派の挫折

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今回の民主党総裁選は野田氏に決まり、総理大臣となりました。
民主党の総裁選は、1回目の選挙は小沢派が推す海江田氏がリードしており、そのまま総理大臣になるかと思われていましたが、2回目の決戦選挙では野田氏が逆転する、というなかなかお目にかかれない形で決まりました。


■野田政権は、どんな政権になるのか?
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野田氏はその政治家人生の中でも、明確に政策を打ち出したことはあまり無いようです。民主党の政治家の中でも街頭演説に立つ回数が多かったことでも知られるそうですか、挨拶と名前を繰り返すばかりで、政治的な主張をほとんどすることは無かったようです。(野田佳彦という人 [1]
ここから、「首相になったら、どういう政策を推進するか」ということについては、ほとんど考えた事が無い(あるいは、隠し続けてきた)ことが分かります。しかも、「そのような政治家でなければ、総理になることはできない」ことを示唆しているように思えます。
これらのことからも、「明確な政策方針無く進んでいく」可能性が、非常に高い政権だと言えそうです。

■小沢氏の連敗
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野田政権が成立したこと以上にネット界に衝撃を与えたのは、『小沢氏の連敗』でした。今回の選挙結果は、小沢氏の政治的手腕や求心力が急速に衰えていることを、図らずも露呈しました。ネット界で政治的主張をしている人の中では、『小沢期待』が根強く残っているのですが、小沢連敗という事実によって、動揺が走っているように思えます。

■基盤を失った民主主義派=民主派
※「民主主義」という制度を不動の前提として信じている人たちを民主主義派=民主派と呼びます。
戦後政治の中で圧倒的多数を占めてきた民主主義派(←右派にも左派にもいる)でしたが、その最大の後ろ盾は「マスコミ」でした。マスコミは戦後一貫して「左派寄り」の論調を堅守しており、その意味で民主派の見方として存在してきました。
しかし、2001年に小泉政権が成立して以降は、全マスメディアが政府官邸の言いなりに甘んじています。この時から、民主派にとって、マスコミは一転して「敵」となっていきます。これは民主派が最大の基盤を失ったことを意味しています。
この時から、右であれ左であれ、民主派は「反マスコミ」に大きく傾き、マスコミに代わる世論形成の場を求めて「ネット界」へと参入してきました。しかし、「反マスコミ」を主張するだけでは、現実世界は何も変わりません。そこで現実世界の期待としては、政党(投票)期待へと落ち着き、民主党、中でも小沢期待を強めていくことになります。結局のところ、民主派の最終的な収束先(出口)は、政党・政治家しかなかったのです。だからこそ、民主派は小沢への期待に収束し続けてきたと言えます。

■大衆意識との断絶が広がっていく
今回の民主党総裁選の盛り上がり不足が示しているように、大衆的には民主党への期待は大幅に縮小しています。野田であろうと、小沢であろうと、誰がやっても変わらないという諦念がますます広がっています。
一方、今回の小沢連敗によって、民主派の中でも小沢に期待し続ける人は大きく減りました。(未だに小沢に期待し続けている層は一部であり、ネット界の保守系論壇の中でも浮き始めているように思えます。)それでも、民主派の最終的な収束先(出口)が政党・政治家でしかない以上、「小沢以外だったら、誰に期待できるのか」に議論が移り始めています。
これまで、「反マスコミ」「民主党(小沢)支持」という点で、大衆意識との繋がりを保ってきた民主派も、今後は「大衆意識との断絶が広がっていく」可能性が高まっています。
※既に囁かれている「小沢の引退」など、彼らが期待できる政治家が全くいなくなってしまったら、民主派の可能性収束先が消失してしまうことになります。そうなれば、民主派は大きな挫折感を味わうことになるでしょう。

(ないとう)

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