2011年08月19日

潮流予測3 企業の共同体化と統合機関の交代担当制

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   (この写真はここからお借りしました。)
人類は500万年間、共同体の中で進化してきた。
その人類が5000年前、略奪闘争を契機にして私権社会になってしまったのは、当時の人類が共認原理で社会を統合することができなかったからである。
共認社会を実現するためには、その総括が不可欠であろう。
共認機能は、互いに顔の見える範囲の個体と集団の統合機能であって、そのままでは集団を超えた数百万人もの社会空間を統合する事は出来ないからである。
言い換えれば、各集団を超えた次元にある社会を統合する組織が、実は単一の集団でしかないというのでは、社会を統合することができないということである。
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【参考投稿】集団を超えた社会統合機関=統合3年・民間3年ぐらいで交代する参勤交代制
もう、プロには期待できない~大衆による直接社会統合の可能性 10 平成版 参勤交代の提言~
(この投稿では、集団を超えた社会統合機構としての『半専任(副業)の人々で組織されたネットワーク集合』の可能性が示されている。
 

集団を超えた次元に存在する社会を統合(もちろん変革も)する為には、単独の集団原理とは全く異なる原理の統合組織が必要なんだという事に、未だ誰も気付いていない。しかし、万人が参画できる、社会統合組織の条件は簡単で、二つだけである。
      
 社会統合は、全員が担うべき当然の役割=仕事だとすれば、その仕事に対してそれなりの収入が保障されなければならない。しかも誰もが何らかの専業に就いているとしたら、この組織は誰もが副業として担うことができる半事業組織でなければならない。
     
 収入保障は万人が社会統合に参画する為の不可欠の条件であって、私益追求の為の仕事は収入になるが社会統合の為の仕事は収入にならないというのでは、特殊な思想・信念に固まった人しか動かないのも当然である。それに、全員の社会を、特定の思想に固まった集団が動かすというのは、大きな間違いである。万人の属する社会を導くことができるのは、万人が認める事のできる事実に基づく理論体系(=科学)だけであって、特定の思想などに社会を統合する資格はない。これが社会統合組織の、もう一つの条件である。
       
 これらの条件を充たす、集団原理を超えた社会統合システムの原型となるのが、半専任(副業)の人々で組織されたネットワーク集合である。

このことを踏まえて、潮流予測3 企業の共同体化と統合機関の交代担当制を見てゆきたい。
■企業を共同体化するためには?
まず、土台である企業を共同体化することが必要である。

順序としては中央銀行廃止の次となるが、共認社会を実現する上で、最も重要になるのは、私権企業の共同体化と、社会統合を担う担当の交代担当制である。
企業を共同体に転換させるのは、さほど難しいことではない。
まず第一に、資本金(簿価)の2倍程度の国家紙幣を各企業に支給し、各企業がそれを各社員に新株として支給する(その場合、社長etcへの配給上限を、社員平均の10倍以下とする)。こうすれば、社員が株主総会の議決権の過半を握ることができる。

企業の共同体化を制度的に裏付けるには法律を改正することである。現在の商法・会社法では、企業は株主(=金貸し)の所有物であり、その決定権(議決権)は株主にある。企業をそこで働く従業員のものにすることが共同体化の第一歩であり、そのためには企業の決定権(議決権)を株主から剥奪し、従業員に発行することである。つまり、株主は配当だけは与えるから、企業運営の口は出すなということである。
米国債デフォルト→世界中の国債暴落→旧貨幣価値が暴落→新紙幣によって経済がリセットされた時、旧紙幣資産や国債資産がリセットされても、土地や現物資産の所有権は従来のままであり、また株式価格は現在の時価→簿価レベルに低下するものの各企業に対する株式保有比率は変わらないので、金貸しは企業支配権をそのまま保持し続ける。つまり、土地や企業の所有権はそのまま存続することになる。
しかし、株主議決権を剥奪することができれば、経済リセットの段階で外資が生き残っていたとしても、各企業に対する外資の介入を絶つことができる。

次に、会社のあらゆる情報を社内ネットに公開すると共に、その社内ネットを会社の共認形成の最高機関とする必要がある。
共同体として先行する類グループの場合、この社内ネットが最大の共認形成の場になっているだけではなく、最大の活力形成の場になっている。企業の共同体化の鍵は、社内ネットの活性化にかかっているといっても過言ではない。
従って、社内ネットを活性化させるために、(少なくとも過渡期は)「毎日1時間は社内ネットを読む時間を確保すること」etcを法制化した方がよいかもしれない。

【参考投稿】社内ネットの可能性・・・多くの投稿があります。
『類グループが勝ち続ける理由』8~社員全員で課題を共有する「社内ネット」~
社内ネットの効用1
社内ネットの効用2
社内ネットの活用事例
社内ネット改革の極意~社内コミュニケーションが上手くいかないのは、何で?~
社内ネットが機能するための条件①事実の共認と②自我排除の共認
社内ネットが素人の創造の新地平を切り開いていく
グーグル社での社内ネット事例から:淘汰と収束の根本的な違い
■社会統合の交代担当制

次に、なんとしても断行する必要があるのは、社会統合の交代担当制である。
なぜそれが不可欠になるのか?
本来、統合機関は、個々の集団を超えた、超集団的な地平に存在するものである。
ところが省庁や大学やマスコミという組織は、単なる一集団に過ぎない。集団とは、必ず自集団の利益第一に収束するものであって、集団を超えた社会統合を担う機関が、単なる集団に過ぎないようでは話にならない。集団を超えた社会統合機関には、それにふさわしい体制が必要である。

現在、社会統合の課題を担っているのは官僚(司法を含む)をはじめ学者やマスコミだが、彼らはエリート意識に凝り固まった私権主義者であるだけではなく、信じられないくらい無能化しているので、民間企業の人材と入れ替えた方が、はるかに上手くいくだろう。
しかし、民間から出向した者が、そのまま居ついたのでは、官僚体質に染まり、同じように無能化してしまう。従って、統合3年・民間3年ぐらいで交代する参勤交代制が良いだろう。民間3年後、優秀なら統合機関に再任される。つまり、連続3年以上の統合機関勤務を禁じるわけである。
そうすれば、親方日の丸の官僚主義に陥ることもなくなり、民間≒庶民の暮らしぶりも分かっているので、統合機関に出向しても現在より遥かにましな案を生み出せるだろう。
とりあえず、毎年2割ぐらいずつ上から順に入れ替えていけば、5年で一巡し、それ以降は、旧勢力1:新勢力2くらいの比率で統合課題を担ってゆくことになる。
この交代担当制を実現するためには、各省庁や県・市・町庁や、各大学や各マスコミに常駐して担当者を選考する人事委員会が決定的な役割を果たすことになる。
おそらく、人事委員だけでも、十万人は必要になるだろう。それは当然、これから共認社会を実現してゆく新勢力に結集した人々によって担われることになる。

交代担当制の要を成す人事委員会が必要とされるのは、次のような理由からであろう。
各企業共同体から、どの統合機関に誰が出向するのか? 
それを決めるのを各企業共同体の自主管理に委ねるわけにはいかないだろう。
∵共同体と云えども単なる一集団であり、自集団の利益第一となる限界を孕んでいるので、優秀な人材or経営者自身が出向することを避けようとするからである。
従って、人事委員会が「この企業のこの人はこの統合機関へ」という形で指名しなければならない。これが人事委員会が必要かつ要とされる理由である。従って、人事委員会は過渡的な制度ではなく、半永久的に存続することになり、人事委員会そのものも交代制によって担われることになるだろう。

※この交代制に対しては、分業による効率化という反論が予想される。しかし、分業による効率化が有効なのはせいぜい5年くらいで、後は惰性でやっているような者が多い。
従って、優秀な者なら3年勤務1回でほぼ吸収できるし、特に優秀でなくても3年勤務を2回やれば習熟できる。
それに、何より効率を重視する民間企業でも、3~5年ごとの配置転換はざらに行われている。
更に言えば、そもそもここまで無能化した統合機関は、はじめから分業効率論の成立範囲外にある。
また、諸悪の根源である受験制度も抜本的に改める必要がある。
最も深刻なのは中学受験で、現在の難関中学は、小2~3年生の頃から勉強漬けの生活を送らなければ合格できなくなってしまっている。
その結果、エリート意識ばかり強く、そのくせ勉強しか出来ない無能な子供たちが大量生産されてゆく。旧勢力の無能化は、既にこの時期から始まっている。
従って、とりあえず緊急措置として、旧帝大や医学部の入試では、難関中学出身者の偏差値を10ポイント下げるとか、あるいはクラブ活動etc五教科以外の内申点を基準にして内申点3:試験点2に切り換えるetcの策が必要だろう。

教育制度をどう改造してゆくか?
それが次の課題である。
(続く)

List    投稿者 staff | 2011-08-19 | Posted in 07.新政治勢力の結集に向けて4 Comments » 

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コメント4件

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