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原発問題から見える特権階級・近代科学の問題性7~安全性を置き去りにした“安全神話”

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画像はこちら [1]からお借りしました。
 
現在の電気事業は各地域で1企業が供給している独占状態です。そうであるにもかかわらず東電をはじめとする電力会社では、原子力発電PRに膨大な広告費がかけられている実態があります。なぜそこまでしているのでしょうか?
企業もしくは電気に対するイメージのアピールだとしても、安定した需要があり、競合のいない電気をここまで宣伝する意味はあるように思えません。
 
今回は、過剰とも思える広告費をかけて作られる「原発安全神話」の実態をみてみたいと思います。


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原発安全神話はいかにしてつくられたか? [2]より 
 

内橋は、「『原発安全神話』はいかにしてつくられたか?」で、「原発安全神話」が、電力会社やその関連機関などによって、実に巧妙、且つ大胆な、そして大規模な広報戦略に基づく国民洗脳化計画によって、作られていった過程を細かく検証しているが、その中でももっとも面白く、興味深かったのは、「安全神話づくり」に馳せ参じた学者・文化人たちの存在を告発している部分である。こう書いている。
 
強烈なのは、ほとんどあらゆるメディアのスペースを買いとって繰り広げたパブリシティの壮大さである。東大・京大教授、男女キャスター、脳科学者、スポーツジャーナリスト、将棋名人、俳優、元文部大臣、ヒット続出の漫画家……挙げていけばキリがない。(内橋克人「『原発安全神話』はいかにしてつくられたか?」「世界」五月号)
 
なるほど、と納得させられる。あの人も、この人も、莫大なカネと引き換えに、原発の「安全神話づくり」に馳せ参じた学者・文化人たちだったのだということだろう。フクシマ原発事故以後、東京電力を擁護するかのような言論を展開する学者・文化人が少なくないという事実が、不可解であったが、その不可解の根拠がわかったように思われる。たとえば、つい最近、経済評論家の勝間和代女史が、「朝まで生テレビ」で原発擁護論的発言を繰り返したことが話題になったが、彼女もまた、おそらく、原発「安全神話づくり」に馳せ参じた学者・文化人たちの一人だったということだろう。もちろん、原子力や原発の専門家としての立場から、フクシマ原発事故の解説者として次々と登場し、「原発安全論」や「放射能無害論」等を展開し続けた「東大教授」たちも例外ではないだろう。あるいは原発事故の深刻化する現場への取材報道よりも、放射能汚染による「風評被害」や「パニック」の方を重視し、国民に向かって警告し続けたニュースキャスターやテレビ関係者たちも、同様であろう。では、この「PA戦略(パブリック・アプセプタンス)」は、どのように展開されていったのだろうか。
 
財団法人・日本原子力文化振興財団、社団法人・社会経済国民会議、その他、おびただしい数の組織や団体が頻繁に一般市民への世論調査をやり、その世論に影響を与える専門家、ジャーナリストたちに対しても面接調査を繰り返した。合計すれば膨大な費用か投じられている。そしていわゆるPA戦略なるものが練りあげられていくのだ。(中略)同財団の企画委員会(委員長・田中靖政学習院大学教授・当時)によって展開され、累積されたそれらの調査結果は、専門家グループのなかでもとりわけ評論家、ジャーナリストが原子力に対して「最も強い不信感を抱いているグループである」との結論を導き出したうえで、今後の゛PA戦略゛では、何よりもその評論家・ジャーナリストを見方につけることが重要であると強調している。新聞社内の記者、デスク、整理部などの役割分担まで仔細に分析されている。以後、はるかに壮大な規模で、PA戦略がくり広げられ、実践されてきたことが分かるだろう。

 
電力会社やその利権に群がるものはとてつもなく危険であることは当然知っているが故に、国民には安全であると思い込ませる必要があったのです。そしてマスコミを使い御用学者や沢山の御用タレントを起用して洗脳化を進めてきました。またその為に資本力にモノを言わせて影響力と敵対性の大きい人物を丹念に調べ上げ、敵から味方につけるように画策してきたのです。
  
このようにみてみると原発推進は初めからだましの世界で、膨大な公告は原発導入時から組み込まれた「安全神話洗脳化計画」であったのです。
 
 
[参考]
東京電力に群がり金をもらって原発を推進した文化人25人 [3] 
 
 
次に、原発推進派が安全神話をつくる上において、いかに安全性の検証が後回しにされていたかを見ていきます。
  
人災の原発事故:安全対策より原発反対派対策を優先 [4]
 
 

1.佐藤・前福島県知事の証言にて、東電の不作為の罪が暴かれる
3.11東電福島原発事故に関して、各界から人災という声が日に日に強まっています。とくに、福島県民を代表していた佐藤栄佐久・前知事(冤罪で東京地検特捜部逮捕、失脚)の東電との交渉のいきさつが本人の口から外国特派員を含む海外マスコミに語られ始めています(注1)。そして東電は佐藤前知事の懸念をことごとく無視してきたことがあきらかとなっています。 
佐藤前知事のみならず、他からも再三警告を受けていたにもかかわらず、東電は福島原発老朽機の安全対策を無視してきました。
 
 
2.謙虚な安全対策より原発反対派の封じ込めを優先
東電を筆頭に、産官学の原発推進勢力は、原発反対派を敵視しており、佐藤前知事も彼らにとって手ごわい天敵のひとりだったのです。
世界で唯一、原爆被害に遭っている日本人はことのほか、原子力アレルギーが強い国民です。そこで、50年代から進められてきた原発建設の推進勢力は、当初から原発反対派との闘いに直面して今日に至っています。
 
 
半世紀以上も原発反対派と闘った原発推進派にとって、いつしか、安全対策より、反対派対策にエネルギーを使う習慣が身についてしまったのでしょう。
その結果、憎き原発反対派の警告に謙虚に耳を傾ける習慣が廃れて久しくなったわけです。
 
 
3.原発推進派は天敵の警告を徹底的に無視する習慣がついた
 長年に渡る原発反対派との闘いで、原発推進派には、反対派に対する感情的反感が醸成されていると思われます。人間誰も、敵意を持つ相手の言うことを素直に聞こうとは思いません。おそらく、反対派を敵視する東電関係者は、反対派の言うことは意地でも聞かないというような習慣を身につけてしまったのです。
 
 
4.安全対策より安全神話つくりを優先
 原発推進派は本音では原発が危険であると知っています、その証拠に、東電は自社の原発を首都圏には一切、建設していません。万が一の事故が起きたら大変なことになるとわかっています。そこで、原発立地周辺住民を説得するため、原発は安全だというプロパガンダを発信し続けなければなりません。
 
 
このような活動をパブリック・アクセプタンス(PA)活動と言います。原発立地地域の反対派は、それなりに勉強しており、それを支援する専門家もいます。その人たちを言論封鎖するには、原発は安全だと強弁し続けるしかありません。
こうして、原発推進派は、原発事故リスクの真摯な追究や安全対策に関心が行かず、反対派をいかに言論封殺するかにしか関心が行かなくなったのです。
 
 
5.原発推進派に本質的安全をチェックする人間がいなくなった
 原発推進派は、安全神話つくりに血道を挙げるようになり、基本に立ち返って、本質的安全をチェックする人が誰もいなくなったと思われます。
そして、原発推進派は反対派対策に注力するあまり、原発の安全性、とりわけ老朽原発の安全性を議論することすら内輪でタブーとなってしまった可能性があります。
その結果、東電福島の老朽原発は、反対派からの追及を恐れるあまり、その危険な状態を国民の目から隠ぺいする方向に行ってしまったのではないでしょうか。
東電の原発関係者は本音では老朽機の脆弱性や危険性に感づいていたにもかかわらず、それを補修・補強をすると、反対派が老朽機の問題を引き合いにだして、その他の原発すべての再点検を要求することが予想されました。
 
現に、2002年、老朽機の検査報告書改ざんが発覚したとき、東電は全原発の運転停止に追い込まれた苦い経験があります。そこで、またそうなっては大変だから、老朽機の補修・補強は必要とわかっていても、あえて放置し、国民の目から隠ぺいしてしまった。しかしながら、自然はそれを決して許さなかったのです。そして、東電は2011年3月11日という運命の日を迎え、不作為の罪が暴かれたのです。

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画像はこちら [5]からお借りしました
  
原発を推進するならば、徹底的に安全性を検証して、その根拠を提示するのが、本来のスタンスですが、推進派が安全神話を揺ぎ無いものにする為に力を注いだのは反対派の封じ込めであり、結局は「安全性が置いてけぼり」だったのです。
  
そして安全・運用・処理に至る全ての計画が無いまま、誤魔化しだらけで今に至るのです。また、推進派内部では完全に無圧力状態で、目先の私益だけに囚われた、「狂った観念による人災(≒犯罪)」であることは明らかです。
 
本当に皆が安心して暮らしていける社会を実現するには、「事実を知る」ことがスタートラインとなります。
そのためには我々庶民が、事実は政府やマスコミが発表するものではなく、自分達も追求していくことで得られるものなのだと意識を転換していく必要があります。そして皆で事実に基づく共認を形成し、真っ当な評価圧力を作り出していきましょう。
 
最後まで読んでくれてありがとうございました

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