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東京都知事選で石原が再選したのはなんで?~人々の意識はどうなっている?~

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こちら [1]からお借りしました
 
去る4月10日統一地方選挙が行われ、各地で知事選・市議選が開催された。
民主惨敗が騒がれた前半戦だったが、今回はその中でも東京都知事選に注目してみたい。
東日本大震災の影響で選挙そのものの報道が少なかったとは言え、その中でも注目されていたのが石原・東国原・渡邉・小池の4名で、今回当選したのはご存知の通り、石原慎太郎元東京都知事。
気になったのが石原慎太郎のみ原発推進派で、その他3名が原発反対派であるということ。
3月10日の東日本大震災に端を発する東京電力福島第一原子力発電所の問題が連日取りざたされており、原発への危機感・忌避感は日を追って増している。その中にあって、唯一原発推進派である石原慎太郎が当選したのは何故なのだろうか?
 
 


●都知事選注目の4名それぞれの経歴と得票率は?
 

          得票率       経歴       推薦・支持      対原発
石原慎太郎   43.40%    元東京都知事  都議会自民・公明  推進
東国原英夫   28.06%    元宮崎県知事  無し           反対
渡邉美樹     16.81%    『和民』会長    都議会民主      反対
小池晃      10.35%    元参議院議員  共産           反対

 
→原発推進派の石原が他に差をつけて当選出来たのはなんで??
 
●社会全体の意識潮流は?
 
人々が何を期待し石原が当選したのか、その意識潮流を探る。
 

貧困消滅→社会の行き詰まり→収束不全→秩序不安⇒秩序収束【安定・保守の潮流】
             ↓                                    ○⇒【風穴期待】
           既存制度には期待出来ない⇒なんとかして欲しい【変革期待の潮流】

 
1970年の貧困消滅を機に人々の期待の中身は大きく変わった。しかし既存の社会制度は変わっておらず、人々の期待とズレた社会制度がうまく機能するはずもなく、社会は次第に行き詰っていった(ex.特権階級の暴走・自殺者△・国債900兆円)。
 
生活の基盤である社会がぐらついている状態は、人々にとって本能レベルでの秩序不安を引き起こし、その不安感が既存の秩序・制度へと収束させている【=安定・保守の潮流】。就活生の多くに見られる大手志向・地元収束もこの潮流によるものである。
一方、社会に対して全く期待が持てない人々は、既存の制度を変革してでも「なんとかして欲しい」と期待するようになる【=変革期待の潮流】。小泉元首相が首相になる際に巻き起こったフィーバーや、学生のベンチャー企業志向も、変革期待から来ている。
 
これら【安定・保守の潮流】と【変革期待の潮流】は、一見すると相容れない潮流ではあるが、社会全体を俯瞰した場合大きくこの2つの潮流が混在しているとともに、一人の人間の意識状況を見ても混在しており、これら2つの合流点に【風穴期待】がある。
 
定義するとすれば『既存の枠組み・制度に収束しつつもその中での変革を期待している』といったところか。
 
●風穴期待の先に石原がいる
旧来の官僚を中心としたインナーサークルには今や誰もが胡散臭さを感じており、可能性は全く感じていない。今回の東日本大震災で言えば、東電-官僚-学者-マスコミ-そしてまた東電という閉鎖的なつながりの外の一般大衆には事実が発信されていないことからも、ここに可能性が無いのは明らかである。
 
石原の持つイメージは、『話している内容は保守的、しかし官僚(=既存体制)を過激な言動で批判し続けている』であり、風穴期待に合致していると言える。
 
但し注意しなければならないことがある。そもそも社会がここまで行き詰ってしまったのは政治家も含めた社会制度と大衆の意識とのズレに原因があるため、実は政治家にもあまり期待してはいないというのが実情。
今回の石原に対しても積極的に期待しているとはとても言えず、「言っていることはよくわからないけれど、石原ならなんとなく言ってくれそう」程度の期待でしかない。
 
 
●原発推進か否かは関係無い
こうして考えてみると、今回の選挙においてそもそも大衆の判断軸に「原発どうする?」が無かったのではないか。選挙前の報道内容を改めて振り返ってみても、原発へのスタンスが議論の中心になってはいない。
 
しかしそうなると今度は、ここまで大きな問題となっている原発問題解決が期待されない選挙に意味があるのだろうかという疑問が湧いてくる。
 
●年代別投票率から見えるもの → 選挙制度の全面的行き詰まり
  
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こちら [2]からお借りしました
 
年代別投票率を見てみると、相変わらず20代の投票率は低い。しかし、日常接する多くの20代と話をしてみると、政治的関心は年々強まっていると感じる。むしろ「社会を本当になんとかしたい」という想いは20代の方が他の年代よりも強いだろう
 
『社会意識は高いのに投票率は低い』というこのねじれ現象は『選挙制度を含めた政治体制の全面的な行き詰まり』を表しているといえるのではないだろうか。
若い人程「選挙で票を投じても社会が良くなる気がしない」感覚も強いだろう。
 
今後、社会閉塞を突破しみんなが可能性を感じる社会を作っていくためには、今の人々の期待に応えうる新たな制度・仕組みを模索していく必要がある。
そのためには、これからも様々な事象の事実構造や人々の意識・期待を追求し続けていくことが重要だ。

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