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日本人は何を学ぶべきか?~近代社会の騙しの構造~第13話:日本人への提言

第2話では自由主義は幻想である [1]、第3話では市場拡大は絶対なのか [2] を扱い、市場と経済の嘘を明らかにしました。
また第4話では何故官僚は暴走するのか [3]、第5話では支配者の手法~アメリカ発の民主主義 [4]、第6話では「権利」はバラバラな個人を作り出す [5]、第7話ではアメリカの戦後占領政策 [6]、第、8話では近代社会成立の背景 [7]を扱い、近代思想の弊害を明らかにしました。
また第9話では原発の虚構 [8]、第10話では、役に立たない学者たち [9] を扱い、現代社会の騙しについて、明らかにしてきました。
最終の11話では自主管理への招待 [10]、12話では騙しの破綻 [11]を扱い、今後私たちはどうして行けばよいのかを考えてきました。
今回は、最終回として「日本人への提言」を扱います。
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画像はこちら [12]よりお借りしました。
今回の福島第一原発の事故は、人災だと言われています。管首相や東電が言っている「想定外」の想定とは、原発を運用するために都合の良い想定であり、事実に基づく想定ではありません。実際、この都合の良い想定に反する事実は無視されたようです。
そして廃炉費用等を含めると、とても経済的とはいえない原発、また事故を起こせば国家存亡の危機の問題となる危険な原発を55基も建設してきました。
これらの原発を建設するにあたり、政府・官僚が、その原子力の正当化のために学者やマスコミを動員し、また事業を一企業に独占させ、その見返りとして彼らの天下り先として一体化しています。
今回の原発事故の現状も踏まえ、近代社会の「騙し」の構造を明らかにすると共に日本人への提言を考えたいと思います。
いつも応援ありがとうございます。


<るいネット:日本人への提言>より

「何世紀にもわたり世界は戦争によって形成されてきた。それにもかかわらず、戦争や暴力がいかに歴史を作り、世界の国境を書き換えてきたかという現実を子供たちに見せないように導くことは賢明な方法ではない。」
「このことからもわかるように、歴史の流れを決めてきたのは公正な取引きにおける合理的な計算などではない。経済的な権力は、武力や威嚇、詐欺、公然と行われた窃盗によって手中に収められてきたのである。
「しかし、経済学者は、正当な価格は公正な市場均衡点で落ち着くと説明し、……世界が架空のしかも「おとぎ話」のようなすばらしい世界であるかのように、公正な市場がいかに機能するかという研究を続けている。」
「一方、世界が実際にどう機能しているかの研究はなされていない。」
「世界がどう機能しているかを知らずして、日本を含む正直な国家が、自分達の国を操作し、威嚇し、騙そうとする世界規模の略奪者から自国を守ることはできないだろう。したがって、軍事的征服者や弁護士、煽動政治家、腐敗した政治家や官僚、財界の詐欺師が、いかに歴史を作り上げてきたかを学ぶことから始める方が得策である。」
「現実を形成しているのは、武力や他の圧力、または窃盗や詐欺行為なのである。さらに重要なことは、国家の支配によって権力が確立されるということである。国家支配のためには、不都合な政治ライバルが暗殺されたり、誘拐されたりすることもあり、それに協力した仲間には報酬が支払われる。」
「公費を使い労せずして利益を得ることこそ、最も熟練した経済の勝者が行っていることの本質である。土地や独占権、その他の資産を実際の価値よりも安い価格で購入すること、しかも自分の存在を可能な限り隠してそれを行うことは、裕福になるための最も確実な方法である。」
「今日、学生たちが受ける経済教育は、世界が実際にどのように機能しているかを示す学術的な描写ではなく、特別利益団体を擁護するための粉飾的理論にすぎない。」
したがって日本が行うべきことは、米国の大学に送る学生の数を減らし、将来の日本の政治家や官僚に、世界的ゲームという認識への妨げとなる「おとぎ話」を学ばせないことである。経済モデルの構築より、世界に対する穿った見方を含み史実を理解することが必要なのである。」
「(アメリカが日本や他の国々に対して)惜しげもなく無料で提供される助言は、結局、自らの利益に資するためのものである。この教訓を学ばない限り、日本は自国の運命を自分達で決められるようにはならないであろう。」

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マイケル・ハドソン博士   画像はこちら [13]よりお借りしました。
震災後にいたるところで見られた日本人の共同性について、おそらく日本人自身は特に優れているとは感じていない。皆が苦難に遭遇したときは、協力し助け合う、また規範や秩序は守るのが当然のことと思っているのではないでしょうか。しかし、諸外国の人から見ると、これらは賞賛に値するようです。これは、日本人が、人類として当然持っていたものを、諸外国の人々が既に失ってしまったものを保持しているということだと思います。
<るいネット:超国家・超市場論19 もう、傍観者=インテリ統合階級は、要らない>より

既に述べた様に、人類の命綱は共認にあり、従って認識形成こそ社会形成の生命部である。ところが、これまでは人類の命綱である共認形成の要(かなめ)の位置に、学校(教師)や大学(学者)やマスコミ(報道人や文化人)が陣取り、一握りの知識階級が人々を染脳し、共認を支配してきた。
それに対して、普通の人々は、夫々の専業を営みながら、現実社会を生きている当事者であり、当事者だからこそ現実を直視し、新しい現実を(良かれ悪しかれ)作り出してくることが出来た。
そして遂に今、本来の共認形成に向けての大衆(普通の人々)の準備が整った。それが、人々の外向収束⇒認識収束の大潮流を母胎とする『認識形成サイト』の登場である。
今、人々が私権の鎖を断ち切って形成しつつある外向収束⇒認識収束の潮流とは、まさに人々が自らの手で共認を形成してゆこうとする潮流であり、新たな社会形成の生命部を成す真の共認は、夫々に専業に従事する普通の人々が認識収束した場=認識形成サイトにおいて、そこに収束した認識仲間たちの協働によって形成される。
 

今回の震災で日本人に見られた共同体の意識こそが、人類が本来普遍的に持っていたものです。
だからこそ、日本人が見せた協力・助け合い、規範や秩序への収束力の高さに対して、世界から「日本に学ぶべきだ」という賞賛の声があがり、多くの支援活動や寄付が寄せられたのだと思います。
反対に今回の原発事故に対する菅首相をはじめとする政治家や官僚、また東電の上層部等、すなわち日本のインテリ統合階級の対応に関して、世界各国から非常に厳しい評価、すなわち無能であると言う評価が下されています。
この180度違う評価を考えると、あまり遠くない時期に、万人参加(主体は夫々の専業を営む普通の人々)の認識形成サイトが中核となり、新しい社会統合機構が形成されるだろう。そしてそれが統合機関として人々に認められれば、国家は簡単にこの新しい統合機構に吸収されていくだろうと思います。

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