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「日本人は何を学ぶべきか~近代社会の騙しの構造」第11話:自主管理への招待

■近代社会の騙しの構造
今回の原発事故で明らかになったのは、「学者や専門家は答えを出せない」ということである。
また私たちも、薄々は気づいていながらも、心のどこかで「いざとなったらやってくれるに違いない」という甘い考えが残っていた。しかし、現実は裏切られた。
なぜこのような意識構造になってしまうのか?
今回の事例は近代社会の騙しの象徴的な事例である。
まずは近代社会が依拠している近代思想の正体を明らかにしてみたい。

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画像はこちら [1]からお借りしました。
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近代思想の正体は、すでに明らかであろう。つまり近代思想は、労働者の属性である〈誰かに雇われるのでなければ、自分では生きてゆけない〉奴隷的な現実を、不動の前提として組み立てられており、それ故その認識は、常に自己の現実から目を背けて非存在の世界へと収束されてゆく仕組みになっている。この宗教的仕組みによって、近代思想はもっぱら奴隷(雇われ人)であることを美化し正当化する事に腐心してきた。そして、現実には一度も奴隷であることをやめようとはしなかったのである。だから、近代思想とは、奴隷の思想に他ならない。近代思想には、そもそも奴隷である事をやめる意思など、はじめから無かったのである。だからこそ近代思想は、実現の意思の下にはじめて必要となる対象世界の認識を欠落させたまま、平然としていられたのである。だが、まさにこの実現の意思の欠如と対象の認識の欠如の故に、個人主義の思想はただのエゴの塊と化し、個人主義の運動は、ただ社会にブラ下がるだけの運動と化して終ったのである。
自主管理への招待(4) 「頭の中だけの自己」から「実現対象」への追求ベクトルの転換 [2]より

近代思想の正体は、(一見良さそうなことを言っているけれども、実際には)奴隷の思想なのである。
だから、大衆には本質的なことを言うよりは、それぞれが自己中なことばかり言ってもらっている方が都合がいい。「奴隷なんだから、自分のこと以外は、考えるな」というのが本音なのだ。
それこそが、近代社会の騙しの構造である。
(奴隷なんだから)安全と言っておけばいいだろうと統合階級たちは本気で思っているのである。
つまり、近代思想の持つ宗教的仕組みによって、学者や専門家たちは無能にされ、私たちはぶら下がることしかできなくなってしまっているのです。
■では、どうしたらいいのか?

自らの存在を現実に実現してゆこうとすれば、常に現実の対象世界が立ち現れる。そこでは、まず対象世界の構造を把握し、自己を実現し得るような対象的基盤を獲得してゆかなければ、何も実現することはできない。だが近代思想は、このような対象世界の実現の構造を何ひとつ見極めようとせず、むしろ常に対象から目を背け、現実から逃避して、頭の中でだけ「現実」を否定し「自己」を美化し続けてきた。いま求められているのは、<自己から対象へ>の認識ベクトルの転換である。
自主管理への招待(4) 「頭の中だけの自己」から「実現対象」への追求ベクトルの転換 [2]より

考えてみれば、今回の原発の問題にしても、私たちは、その是非や要・不要についての、共認形成の場に参加さえしていません。そもそも、それを判断するだけの情報さえ、何も知らされてさえいないのが現状です。
それなのに、近代社会の騙しの構造の中で、これまではそのことに疑問を抱くこともなかった。
しかし、リーマンショック以降、その騙しの構造にも綻びが見え始めています。
このままではおかしい。上のものには任せてはおけない。
自分たちで考えて、物事を決めていく社会を作っていこうという気運が高まってきています。
それが、壊滅的被害にあったにも関わらず、疲弊するのではなく、イキイキしているとさえ見える被災者の様子にも現れています。完全に潮目が変わったのです。
つまり、現在はこのような騙しの構造から脱却する好機とも言えるのです。

しかもこの激動の時に、従来の社会のリーダーは無力状態に陥り、それにとって代るべき新たな生産のリーダーは、未だ力を持つまでには成長していない。状況は、さらに混迷の度を増してゆくだろう。私たちは今、指導者不在の社会の中に置かれているのである。
私たちは、このような時代の到来を、むしろ歓迎している。今ほど社会が自らの停滞を打ち破る、革命的な活力を求めている時はないからである。このような時代には、大樹の下に身を寄せる「お抱え」型の安定など、一時の気休めにしかならない。むしろ、どのような状況にも対処してゆける強靱な思想と能力を獲得してゆくことこそ、本当の安定への道ではないだろうか? 
自主管理への招待(1) 工業生産から意識生産へ。時代は今、歴史的な生産力の転換を遂げようとしている [3]より

次回は、「私たちが騙しに気付くようになったのはなぜか?」を扱います。

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画像はこちら [4]からお借りしました。(震災から3週間 避難者に広がる「自活」 県内 自炊、掃除など分担も)

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