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地震も気候変動も、地球内部の熱的変動によって起こる?

2011年03月30日「プレートテクトニクス理論は、もっともらしいウソではないか?」 [1]で紹介した『心安らかなる日々』 [2]ブログ主(釈愚さん)は、地震の発生メカニズムと地球の気候変動を統合的に解明しようとされています。
まず、その課題意識を紹介します。
「東北地方太平洋沖地震の発生機構 再考(1)-地球内部の熱的変動と気温との関係において」 [3]から引用します。

とりあえず、中小地震については2~3日前ぐらいにほぼ95%近い精度で、そして大規模地震については1ヶ月前ぐらいにほぼ、70%程度の確率で予測できそうなところまでは到達した。しかし、地震予測の現実問題として、中小地震については2~3日前でも十分だが、大規模地震で1ヶ月でかつ70%というのは十分な数値ではない。世界中の気候を分析することによって70%の確率を95%近い確率で予測できることは可能になる。しかし、どうしても1ヶ月より以前に予測することは困難である。そのためには、さらなる知識が必要になってくる。その知識とは地球の内部に関する知識であり、現在のところは推測によって想像するしかないというなんとも頼りのない話である。
しかし、以前にも書いたように、これについては、地表からあるいは気象から逆問題として推定することは可能である。10年ぐらいの気温変化を地球の内部の状況と対応させて、これと矛盾することなく説明できるようになれば、5年以前には警戒警報を出すことができるようになり、3年前にはほぼどこでどの規模の地震がいつごろ生じるということを言い当てることができるようになるだろう。

確かに、地球の内部構造については正確なことは、ほとんどわかっていないのが現状です。だから、地震の発生メカニズムが解明できず、地震予測もできないのだと考えるべきでしょう。
従って、まず地球の内部構造の仮説を構築することが先決で、その叩き台として『心安らかなる日々』 [2]の釈愚さんの説を紹介します。
いつも応援ありがとうございます。


『心安らかなる日々』の釈愚さんは、現代科学では太陽のエネルギーに比べて地球内部の熱エネルギーがほとんど無視されていることに警鐘を鳴らしています。
「地球内部から地殻への到達熱エネルギーと太陽からの到達熱エネルギーに関する無茶苦茶な常識!?」 [4]から引用します。

太陽から地表面に到達する熱量と地球内部から到達する熱量を比較したデータをようやく見つけた。
ただ、そこで、展開される議論は無茶苦茶であった。常識というのはつくづく恐ろしいものだと思った。
わたしが、滅茶苦茶だと思ったのは、気象現象に及ぼす影響度の話において、地表面に及ぼす影響は太陽の方が圧倒的(2500倍)も大きいので、地球内部の熱というものが気象に及ぼす影響は無視できる、という科学的考察である。
しかし、地球のほとんどはどろどろに融解しており、地下50kmのところ、地盤のすぐ下の我々の足元には溶けた岩がある。こいつが、地球を作り上げてきて、気象現象のまずは根本となる陸地と海の配置の決定的要因となっている。
それにもかかわらず無視できるというのは、どんな神経をしているのだろうか?
どんなことにも懐疑の目を向けるのが、そして、一番何よりも常識を疑うのが科学者の態度ではないだろうか?
たしかに、地殻の表面にふりそそぐ太陽光は、地殻を貫流してくる地熱に比べればはるかに大きいだろうが、逆に地殻を貫流し、地殻の裏側の表面にまで到達してくる太陽エネルギーはゼロである。太陽エネルギーは、地球の内部熱エネルギーに比較すれば小さなチリにも該当しない。
これは、逆に考えると、地殻を貫流してくる熱貫流エネルギーが地表面の気温を1度変えたら、それは、すさまじい地下での熱エネルギーの変動があったと考えたほうがよい。
大規模地震や津波や暴風雨は気象現象ではないのであろうか?
仮に50km下のマントルと地殻の境界領域の温度が1500℃だとする。そして、我々地表面に近い地中の温度が仮に15℃だったとする。50kmも離れているから、関係ないと思うかも知れないが、熱貫流というのは線形勾配をもっているとすると10km直下は、315℃である。ぐらぐらと湯だっている温度である。5km下で165℃、1km下でも、45℃である。体温よりも気温よりもまだ熱い。
30℃が気温だと夏の暑さだ。20℃前後の気温なら気持ちがいい。さて、20度の気温というのは地中で言えば、地下170mの距離となる。170mと言えば目と鼻の先である。
これが、気象に影響を及ぼさないという地学の常識とは一体何なんだろうか?
気象気候のベースのところは地球内部の熱に100%依存しているのである。これを忘れてはいけない。したがって、これによる気温の変動や気象現象の変動は、地中で何か起っていることの反映なのである。
マクロな判断をするには、電磁波とか水位とか圧力とかいろいろな物理パラメーターに頼る必要はまったくない。

では、地球内部の熱エネルギーの変動はどのようにして起こるのか?
同じく、「東北地方太平洋沖地震の発生メカニズム(その11) - とまらない地球内部の暴走」 [5]から引用します。

われわれが居住する地殻上の気温があまり変動しないのは、大気があることはもちろんであるが、地球内部から一定した温度供給があるからであり、もし、地球内部からの温度供給がなくなれば、夜になると何十度という急激な温度低下に見舞われるであろう。
この地球の熱源となるコアの温度は、5000℃から6000℃と言われている。しかし、この熱源については実はよくわかっていない。地球の年齢が50億歳として、絶対零度に近い宇宙空間内おいて熱放射を50億年間継続しているにもかかわらずこの温度を維持するためには地球の中に発熱機構が必要である。(そんな熱源がたったの5000℃などという低い温度なのだろうか。それについては別の機会に論じるとして、さらに次に進もう。)
氷河期というのがある。これは、地球全体が冷えた状態になったときだが、最近の氷河期は、450万年前に始まり、100万年周期で四回気温が低下している。非常に安定的かつ規則的な動きをしている。
太陽からの熱供給があまり変わらないとすれば、氷河になるのは、地球側の事情によるものである。その理由は、太陽からの供給熱量はすくなとも450万年ぐらい前からは変わっていないからだ。地球内部の発熱機構が変化することによって、氷河期が生まれると考えることが妥当である。
では、なぜ、このような発熱機構の変動が生じるのか。しかも周期的な変動をもって現れるのであろうか?
そのためにはコア部分の発熱機構そのものについての知識が必要である。しかし、現在のところわれわれには地球内部を見る手段がない。したがって、地球の内部がマントルを通じて地殻表面にあらわす現象を観察し、そこからは逞しい想像力とそれにもとづく思考実験によって知識に換えるしかない。
アインシュタインの特殊相対性理論の副産物として、人類はE=mc2というとてつもなく大きなエネルギー源についての知識を見出した。核分裂と核融合である。相対的な話ではあるが核分裂は比較的制御しやすいのに対して、核融合はそのコントロールが難しいようである。巨大な核融合炉である太陽は、水素原子二つからヘリウムを作ってその安定化のプロセスにおいて巨大な熱エネルギーを放射するが熱暴走してしまい、あまりの高温で表面が固まることができない。
一方、地球においては、その表面が固まるぐらいの発熱機構であるとすると、核分裂していると考えるのが妥当であろう。ニュートリノを検出する装置においては核融合を検知できるのであるが、地球自身からのノイズがなかったことを考えると、核分裂が生じていると考えるのが妥当であると思われる。
すると何千度などという低い温度ではなく、ほぼセンターのもっとも温度が高いところでは、局所的には何十万度というような高温になっていると考えることは、かならずしも荒唐無稽ではない。ただ、それは局所的な炉心部分だけであって、コア全体の平均的温度あるいは、コアとマントルの境界においては5000℃程度に下がっているということだ。
この熱源はきわめて安定である。安定であるからこそ、この地球が生まれ、生命が生まれることになったのだが、その安定度も微妙に規則的に揺らぐようである。そのゆらぎの極端な場合が周期的氷河期をもたらす熱源の周期的性能低下である。
周期的な変動というのは、基本的には回転運動によってもたらされるものであり、コアの内部における熱源の周期的移動というものが考えられる。地球全体としての自転運動があるように、地球のコアにおける中心部分の移動というもが百万年ちかい単位で周期的に移動し、それが地球の温度を変動させてきた。これは初期不整(imperfection)の問題と呼ばれるものであるが、この初期不整が多様性にあふれる地球を作り出してきた。
さて、熱源が移動していると考えられる理由は、温度の下がり具合が地球全体で一様ではないからである。ある地域では、気温が急上昇しているのに対して、ある地域では気温が下がるからである。また、あるところでは暑い時期寒い時期が大きくずれ始めている。これは、発熱機構の中心が地球のセンターではなく中心から離れたところで、位置を移動していることを意味している。
現在は、第四氷河期が終わり1万年以上たつが、気温がぐんぐんと上昇する期間あるいは安定期間に突入しつつある期間にある。そして、ある程度落ち着いて後に数万年間の安定の後再び気温か急激に下がり氷河期が始まる。
熱源自身の強弱も時間的変動があることは無視できないがそれはあまり大きな変動とは考えにくい。大きな変動があるならば、それは熱源中心の運動とは独立のものであって、過去四回の氷河期があのように規則的に現れることは有り得ないからだ。
現在は、そのコアの部分が地球自身にとって、温度が上がるような位置すなわち、マントルに近い位置にきていると考えられる。そしてそれが熱帯のアジア地区のあたりに来ているように思われる。
そして、この部分に接したマントルの動きは以前よりも活性化し、結果として地殻に対して大きな圧力を加え、また、ある地域の地殻の温度を高めることになるであろう。一箇所におけるマントルの動きの活性化は、そもそも粘性が高いマントルのことであるから地球全体のマントルの動きに影響をおよぼし、他の部分も活性化するであろう。
それは、極端な例を用いて説明すれば、たとえば、水槽に入れた冷たい水の一番底を一箇所強くあたためれば、それが原因となって一部の水が対流を始めるであうろ。そして、もしその水が粘性の高い流体であったとするならば、その対流によって、いくつもの渦がつくられ渦が渦を生み出すという形によって、その粘性流体全体が運動を始める。
思考実験による仮説ではあるが、現在の地球の内部はこのような状態になっていると思われる。表題に書いたように、とめられない内部地球の暴走、というのは以上のような内容を指している。

「太陽エネルギーは、地球の内部熱エネルギーに比較すれば小さなチリにも該当しない」とまで言い切れるかどうかは、今の所、断定まではできませんが、従来の気候変動学説が太陽エネルギーばかりを取り上げ、地熱を無視してきたというのは事実だと思います。
加えて、地球内部の熱的変動によって、地震の発生メカニズムも気候変動も統合的に説明しうる可能性を有する、注目に値する仮説だと思います。
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