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日本の原子力利権 ~原子力閨閥~

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福島第一原子力発電所は、現地作業員が全力で対応に当たっているものの、いまだに安定化の見通しはたたない。
福島の臨戦対応が迫られる一方、日本には54基の原子力発電所が運転中(2010年5月時点 [1])であり、全国(全地球)で原子力発電の見直しが不可欠となっている。
そして、原子力発電に頼らないと、著しく不便な生活になるわけでもないのだ。(これを機に無駄を削減することは望ましいが)
【参考】
東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か 6~原子力が無くても日本の電力は不足しない~ [2]「自然の摂理から環境を考える」
では、一体なぜ導入されたのか。
そこには、「利権」が絡んでいる。
しかも、ごく少数の人間が閨閥を形成して権限を掌握し、利権を欲しいままにしているのだ。

天皇制を頂点にしたピラミッド型構造社会が日本を貫徹している。
その構造の上部を形成する社会階層には巨大な軍需利権と共に巨大な原子力利権がリンクしている。

水俣病と大気汚染公害など、あらゆる影を背負って、その内部から原子力発電所が誕生してきた。
また、その影を背負って、薬害エイズが誕生してきた。
それが、岸信介、鮎川義介、久原房之介、武田長兵衛、宗像英二、五島昇、中曽根康弘へとつながる一族を中心として生み出されたものであったことが、系図から見事に浮かびあがってくる。
 日本では、戦争犯罪者が過去の罪をいささかも反省せず、ほとんど追及もされなかったため、彼らが戦後も羽を伸ばし、権威者として君臨することになった。
むしろ彼らは、戦争犯罪の追及に牙をむいて反撃するほどである。
その”立派な教え”を受けた家庭の中で増長した者が、親から戦時中の利権を受け継いだため、同じような罪を踏襲してきたことは間違いない。

原子力閨閥と七三一部隊と防衛省日本軍需利権
1954年3月2日、中曽根康弘によって、日本の国会に初めて原子力予算が上程され、4月1日に成立すると、原発の時代が幕を開いた。
のちに総理大臣となったこの中曽根康弘と親しかったのが、厚生省のエイズ研究班の班長として、血液業界に辣腕をふるってきた帝京大学副学長の安部英であった。96年2月に、薬害エイズにからむ殺人・殺人未遂容疑で告訴され、7月に国会で証人喚問を受けたあの問題の人物は、なぜ中曽根と親しかったのか。
今尚、中曽根康弘は老いさらばえた醜悪な姿をTVに晒して事あるごとに憲法9条の改悪をわめき続けている。
マスコミはなぜこの醜悪な姿を節目の時に取り上げることを強制されるのか。
いうまでもない中曽根一派を上部とする社会を日本利権構造の支配階級が必要としているからだ。

全て一つの血族におさまる
この血族の中のある人物は薬害エイズ問題をもたらし、ある人物は水俣病を引き起こし、
ある人物はスモン病を引き起こし、ある人物はサリドマイド禍に関係し、
ある人物は高速増殖炉路もんじゅの事故で自ら科学技術庁長官と言う立場で指揮をしておきながら、人ごとのように「危険は知らなかった。これは官僚の責任だ」と言い放ち、
ある人物は七三一部隊の核となり殺戮を行い、ある人物は、原子力建設で巨万の富を得て、
ある人物は地震予知総合研究会の権威となり駿河トラフの真上の、ビスケットより脆い地盤を安全だと謳い浜岡原発を建設し、青森県六ヶ所村の活断層が2つ交差する御前崎よりも地盤の弱い地点を最適地だと謳い、原爆の何万発分もの死の灰を実質最終処分を行う事になる再処理工場を建設し、あるものは利権の為に汚職を重ねた。
他にもこの一族が引き起こした事件は多々ある。
原子力というひとつの巨大産業をめぐって、霞ヶ関の官僚がなぜ執拗にこれを推進しようとするのか、すでにこれまでの章で、かなりの答えが解き明かされた。
 彼らが間違った政策を変更しないのは、ただチェーホフが描いた小役人根性を捨てきれないからではなく、官僚世界の上部に立つ人間たちが、個人生活の利益を追及していたからである。- - -
 また、御用学者が故意に科学をねじ曲げたのも、その官僚と相通じて、個人生活の利益を追及していたからである。
 この背後にあったのは、電力会社という企業体であった。彼らの場合は、露骨に利権に群がった。原発の建設費がべらぼうに高価であり、出費が多くなるため、電気料金を値上げするよい口実になったからである。ここに、土建業者と原子炉メーカーが一体となって集団を形成し、分捕り合戦をくりひろげてきた。

鹿島建設(現・鹿島)は、原子力発電所の建設では圧倒的な業界一であり、判明している限り、高速増殖炉”ふげん”、”もんじゅ”、福島第一原発1・2・3・4・5・6号、福島第二原発1・2・3号、浜岡1・2・3号、伊方1・3号、柏崎1・2・5号、女川1号、島根1・2号、東海1・2号、大飯3・4号、泊1・2号を建設してきた。
その創業一族・鹿島守之助の娘婿・渥美健夫が、前述のように鹿島建設の後継会長となり、その息子・渥美直紀が、原子力委員長・中曽根康弘の娘・美恵子と結婚するという利権の閨閥関係をとりむすんでいた。したがって、”もんじゅ審査委員会”グループの主査をつとめた京大教授・小堀鐸二が、”もんじゅ”建設会社の一族だということになる。
“もんじゅ”の安全性、推進論をずっと語ってきたのが、原子力産業の中心人物、東大教授・鈴木篤之である。”日経ビジネス”96年3月25日号で、鈴木は、中曽根康弘のブレーンだったことを自認する舛添要一、評論家の木元教子と”もんじゅ”事故について対談し、三人でしきりと、「大した事故ではなかったのに、説明がまずかったので大騒ぎになった」という主張を展開した。
この巻町の連続講演会では、木元とともに、東京理科大学教授の久保寺昭子が、6月24日の講演会で、「放射線が原因で癌になるなどということは、科学的に証明されていない」と、非常識をも超える発言をした。
 日本では、この鈴木のように、原子力を”推進する”原子力委員会と、原子力を “監視する”原子力安全委員会の両方にメンバーとして加わっている人間が、”泥棒が刑事をつとめる”と長いあいだ批判されてきた。
彼らが口にする言葉といえば、「原子力が国民に理解を得られないのは、PRが充分ではないからだ」という文句だけである。そしてPRの莫大な予算に、堤灯持ちの評論家と御用学者、売れなくなった芸能人、スポーツ選手が群がっている。
頂点には
エイズを放置した厚生大臣のひとり林義郎が、ほかならぬ中曽根康弘の一族だったことである。彼らは、動燃理事長と原子力委員会委員長代理をつとめた井上五郎の一族でもあった。
石川六郎は、初代の経団連会長で初代の原子力委員・石川一郎の六男として生まれ、鹿島建設創業者一族の鹿島ヨシ子と結婚して、同社の会長となり、93年7月まで日商会頭をつとめた。
薬害エイズを放置した厚生大臣の一人である下条進一郎の妻が、この石川六郎の妹・石川裕代という関係にある。
原田昇左右は、運輸省の官房審議官から政界に転じた官僚出で、静岡一区から代議士となって、89年には海部内閣の建設大臣となり、中部電力の浜岡原発の建設にからんで利権を動かしてきた。中部電力の工事部門のゼネコンはじめ、東芝系列の石川島播磨重工から莫大な政治献金が原田に流れてきたことは、政界と官界で有名である。
サリドマイド薬害時代に厚生省の薬務局長だった松下廉蔵が、いま96年春に、ミドリ十字の最高責任者として「殺人容疑」で告訴され、業務上過失致死容疑で逮捕された。松下廉蔵がミドリ十字の社長だった時期に、同社の非加熱血液製剤クリスマシンを投与された肝臓病の患者が、エイズウィルスに感染して95年暮に死亡したため、遺族たちが松下廉蔵を告訴したのである。しかもこの患者の場合、すでに安全な加熱血液製剤が承認されたあと、非加熱製剤が使用されたのである。この危険な製剤を回収しなかったミドリ十字と、回収を命令しなかった厚生省が、人間を死に至らしめたことは明白である。
 松下廉蔵は、株主代表訴訟でも告発されてきたが、原告たちが裁判所に “当時の経営者会議の議事録”などの資料を証拠保全するように申請したにもかかわらず、ミドリ十字は、それらの重要書類を提出しなかった。実は、松下廉蔵の妻・澄子の兄が、細川内閣の法務大臣・三ヶ月章である。
しかも松下廉蔵と三ヶ月章の一族に、戦前のアジア侵略時代の台湾高官・深川繁治が現われるのはなぜなのか。さらにこの家族を追ってみると、いま述べた反原発ステッカー裁判で判決を下した裁判官のひとり、大西勝也と原子力関係者が次々と姿を現わすのである。
日本では、官僚から天下りして企業の経営者となり、巨大な利益を懐に入れる者が、夥しい数をかぞえる。官僚から政界に転じ、国会を覇府として、さらに大きな利権を手にする慣習がある。
東北地方太平洋沖地震の真実「辻元清美衆議院議員不当逮捕事件」より

原子力利権に限らず、様々な利権が一部の閨閥とその幇間達によって貪られ、その利権から生じる甚大な被害を多くの人々が受けている。
今回の原子力発電所の爆発→放射能漏洩問題は“人災”と指摘されているが、その“人災”の深い部分にこの閨閥がある。
私たちは、日本国民にとっての必要性とは別の要因で、大量の原子力発電所が設置されたという事実を踏まえて、これからの社会をどう創っていくのかを考えていく必要がある。
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