2011年02月11日

日本人は何を学ぶべきか?~近代社会の騙しの構造~第3話:市場拡大は絶対なのか?

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最近、アメリカを主導としたTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)による非関税システム化が
今後のグローバリズム経済を誘引するかのような大義名分が立てられている。
この加盟国間の経済制度。
即ち、サービス、人の移動、基準認証などに於ける整合性を図り、貿易関税については例外品目を認めない形の関税撤廃政策は、民主党の菅首相を初めとする(アメリカの息のかかった)
勢力によって推し進められようとしている。
彼らが主張する骨子は、自由競争と市場拡大である。
アメリカがこのTPPに固執するのは、
他国の土俵で利益を得て自国を潤したいだけである。
しかしながら、少し考えてみればわかるように、自国の市場を何の規制もせずに解放すれば、日本国内のGDP比率などをみればわかるように、自国の需要を外部に解放する事になり、国家基盤として大切なあらゆる生産能力を他国に乗っ取られ、自国の体力をどんどん消耗していくだけである。
第1話~プロローグ
第2話~自由市場など幻想である
第3話では、市場拡大は絶対なのか?を明らかにします。
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ここで、改めて、『市場拡大は絶対なのか』捉えなおしてみたい。
この疑問に答える為は、市場拡大が成立する前提条件を再度おさえておく必要がある。
先の投稿で触れたように、

市場主義は貧困の圧力が強かった時代には有効ではあった。
貧困ゆえに市場拡大が齎されたが、‘70年に需要が頭打ちし貧困が消滅したにも関わらず、市場を拡大しようと画策するのは誤りである。

そこで、市場拡大を絶対命題としたい人々は考えた。
豊かさが実現されて以降、市場を拡大する為には以下の条件が必要であると。
貧困時代と同じような市場拡大ができるんだという観念の刷り込みと、自由市場の終焉を先延ばしする手法が必要となった。
国家の借金によって延命措置を取らざるを得ない市場主義と、過去の市場拡大の時代の方法論を現代社会にあて嵌めても無理がある。
何故ならば、現代では、「貧困の消滅」と言う状況下にあり、『外圧』条件が過去と大きく異なっているからだ。
それでは、
市場拡大を絶対命題としたのは一体何故なのであろうか?
それを誘導したのは一体誰なのであろうか?
この問題の切り口と、可能性を提示する。
以下、るいネットより引用。
***************************************

◆潮流5:失われた40年
『この国債発行→バブル経済、そしてその後のバブル崩壊から経済危機に至る流れの全ては、市場拡大を絶対命題とする特権階級の利権維持およびその特権の維持と固く結びついた彼らのイデオロギーが生み出したものである。
おそらく彼らは、市場拡大は自分たちの特権を維持するためではなく、国際戦争に打ち勝つために不可欠だったのだと主張するだろう。
しかし、それは本当か?
本当は、’70年、豊かさが実現された時、「市場は拡大を停止するしかなくなった」のだという現実を直視し、素直に『ゼロ成長』戦略を打ち出していれば、現在見るような経済危機に陥ることもなく、また国際競争力を失うこともなかったのである。
問題は、国債投入なしには市場を維持できないという事実、つまり自由市場など絵空事であって、現実には、国家市場(国家によって支えられた市場)しか存在しないのだという事実から目を背らし、「自由競争・自由市場」という幻想を捨てようとしなかった点にある。要するに彼らは、事実に反する(彼らには都合のいい)イデオロギーに固執し続けてきたのである。』
この世には、医療だけではなく、農業や介護や新資源・エネルギー開発、あるいは「なんでや露店」のような社会活動etc、市場には乗り難い(ペイしない)が、社会的に絶対必要な仕事(or活動)がいくらでもある。
市場に資金を注入するなら、すでに飽和状態に達した物的生産ではなく、あるいは福祉と称して単なる消費者にバラ撒くのではなく、市場ではペイしないこれらの類的生産を刺激or支援する方向に資金を注入することもできた筈である。例えば、農業や介護etc各供給者の売上に応じて、その50~150%の支援金を支給するという形にすれば、競争活力を失うこともない。
これは、次のように云い換えることもできる。生産性が上昇すれば、そのぶん価格が低下する。従って、余剰の需要が生じる。これは、物的生産の側から見れば需要の縮小=不足であるが、人々はその余剰需要で類的供給を享受できるようになるということであるそれに、物的需要を超えた供給力の過剰分までは、国家紙幣を発行して類的供給を支援しても、インフレにはならない

**************************************
以上のように、
私権獲得の為の特権階級(財界、政界および学者、官僚、マスコミ等)の特権維持と、イデオロギーが根本問題であることがわかった。
今迄のように借金をしてまでGDP成長の右肩上がりを絶対とするGDP拡大信仰で国力の幻想価値を高める一方で、内実は子民の活力が無い状態をよしとするか、現実を直視して、’70年代の経済レベルで物質生産ではない新たな活力源(新たな仕事)を提示するかである。
現状は、特権階級の特権体制維持の為に、国内外を含めて多くの人がGDP拡大信仰に基いた市場拡大路線が正しいと騙されている事実を受け止めなくてはならない。
先進国ではGDPを0.1%でも上げようと毎年各国の首領人は頭を悩ませている。この目先のGDP信仰を打破する必要がある。
’70年に豊かさを実現した日本において、政府は『ゼロ成長』戦略の一貫として国家紙幣の発行模索もそろそろ検討すべき段階にきた。(但し、上述されたように、ただ単純に国家紙幣を刷ればよいという話ではない。)
特権階級は、「市場は拡大を停止するしかなくなった」という現実をまずは直視し、素直に『ゼロ成長』戦略を打ち出す必要がある。
GDP.jpg
貧困が消滅した日本において物的需要は少なくなるばかりであり、
新たな活力上昇構造を作る必要性がある。

その活路としては、輸血経済に歯止めを打ち、危機感を抱いた企業間レベルで類的供給を行っていくしかない。その評価軸も、物質生産時のものとは異なるため、『新たな評価システム』を構築する必要がある。
この先端企業の成功事例を掻き立てて、全国展開する際に政府が実りある支援金を注入し、制度を変えていく必要がある。
現在の国民の税金を無駄遣いする無策なバラマキ制度ではなく、『類的供給の成果制度・評価』によって、日本国を再生する。
また、支援金は、現在流通しているお金である必要性はない。
お金の特徴としては、次のような特徴がある。
①価値が劣化・陳腐化しない=蓄財が可能、
②いつでも・どこでも・何にでも交換可能=高い流動性

この2つの特徴により、「お金」が絶大な権力を保持している。そこで、貨幣の特権をなくす手段として“減価する貨幣”(提案者:ゲゼル)を活力再生支援金として廻す。必要の無い貨幣を減価させ、人の役に立つお金をどんどん廻すやり方は、活きたお金として非常に可能性がある。まさしくお金に人の役に立つ生命力を与えるのだ。
以上のように『ゼロ成長』戦略は、
新たなリーダーシップを今からでもとれるということをも示唆している。
しかしながら、エコポイントや、子供支援金のような初めに予算有りきのバラマキ制度では、何も実現しない。
成果が分かりにくいだけでなく何を実現するかという実現基盤が極めて貧弱としか言いようが無い。その証拠に未だに『日本の官僚』は、国民の税金を元手として、自らの利権(天下り先)や特権(予算取りや、身分安泰)を維持する為に予算配分を繰り返し、国家の借金を増幅させることしか考えていない。
ここを切開する必要がある。
次回は、官僚独自の判断で動いている日本の官僚制度の問題性を取り上げる。
「自分達の間違いを疑うことなく自由に権力を行使する人々が、
『空中浮遊』している。
それが、現在の官僚であり、日本の再生(活路)を見えなくさせている。
次回は『官僚の暴走』を追及していくことにします。
たっぴ (kyupibekamu)

List    投稿者 kyupibekamu | 2011-02-11 | Posted in 05.染脳国家日本2 Comments » 

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コメント2件

 読者 | 2011.11.02 22:01

はじめまして。
ご存知かもしれませんがご紹介させていただきます。
「阿修羅」です。

 hermes handbags new zealand | 2014.02.03 11:09

hermes fr wikipedia 日本を守るのに右も左もない | 10/9なんでや劇場レポート(1)~始めから金貸しの意を受けたプロだった近代思想家~

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