- 日本を守るのに右も左もない - http://blog.nihon-syakai.net/blog -

「観念パラダイムの逆転」シリーズまとめ ~思想史年表~

%E4%BA%BA%E9%A1%9E%E9%80%B2%E5%8C%96%EF%BC%92.jpg
この間、現在の既成観念が役に立たない理由と思考パラダイムの転換の必要性をテーマにした、るいネット投稿「構造認識の現況」、「思考次元」、「観念パラダイムの逆転」の各シリーズを紹介してきた。
 
今回はこのシリーズのまとめとして、人類史における観念内容がどのように変遷してきたのかを、年表形式で俯瞰してみたい。
 
いつも応援ありがとうございます。


■思想史年表
[1]
  
A.現実直視の実現思考→精霊信仰(観念の獲得)
生きとし生ける全ての存在は、外圧に適応すべく探索を続けている(思考している)。外識(感覚機能)と内識(欠乏)をイコールで結ぶことの出来る「実現回路」(新たな本能や行動様式)を獲得しそこに可能性収束する。この観念以前の生物の思考こそ健全なる思考様式(実現思考)の原点である。
 
原始共同体の時代、肉体的には何ら武器を持たない人類は、本能では到底生きる事が出来ない、過酷な生存状況におかれていた。
本能では可能性を全く開くことが出来ない。そのような中にあって、人類は自らを超越した圧倒的な存在である自然に対し、人類の命綱である共認機能を用いてとことん対象を注視し、ひたすら対象の語るところに耳を傾けることで、この自然現象の背後にある大きな力を見いだした。それが、「精霊」である。
 
目に見える対象の背後に、大きな力の存在を措定した、この精霊信仰こそ、本能を超えた、人類の観念機能の原点であり、科学的思考の原点でもある。人類はこの新たに獲得した、本能に代わる観念回路を駆使し、自然を注視し続け、様々な自然の法則(摂理)を掴み取り、極限状態を突破し続けてきた。
 
いうまでもなく彼らは自然外圧を決して否定などしていない。あくまで現実を直視し、その中に可能性を見いだそうとする、実現思考に貫かれていた。
 
参考:思考次元1 潜在思念の実践思考 [2]
    観念パラダイムの逆転7 新しい認識だけが、現実を変えてゆ [3]
    実現論 前史 ヘ.人類:極限時代の観念機能 [4]
 
 
B.現実否定→倒錯観念の古代宗教
 
6000年前、掠奪闘争が勃発して以降、集団は自らの縄張り=私権の獲得に収束し、集団同士が縄張り闘争を繰り広げた結果、必然的に武力に基づく序列統合=権力支配を生み出した。力の強いものが弱いものを従えるという、力による統合原理である。そして権力支配の進行につれて万人が私権の獲得へと収束していく。
 
古代宗教(ユダヤ教、仏教、儒教、ギリシャ哲学)は権力支配確立期の2600年前に世界的にほぼ同時に登場する。
古代宗教とは、この権力支配がつくりだす、貧困や戦争などの「苦」の現実を全面否定し、頭の中だけで喪われた本源価値を再構築しようとしたものである。
しかしこれは現実の中に可能性を見いだすのではなく、頭の中だけの架空観念に収束したということであって、原始以来(動物以来)の思考であった現実直視(肯定視)のパラダイムから見れば、180度思考ベクトルを逆転した、観念の倒錯である。
 
ただしこれは、身分支配によって現実の可能性が封鎖され、しかもその原因である万人の私権へ収束を覆すことが出来ない以上、頭の中の観念に可能性収束するしかないことは必然でもあった。
 
参考:思考次元2 否定意識の倒錯思考 [5]
    観念パラダイムの逆転2 現実否定の倒錯思考 [6]
    観念パラダイムの逆転4 実現基盤を摘出できない、現実否定の「構造認識」 [7]
 
 
C.現実否定→欺瞞観念の近代思想
 
近代に入り市場が拡大する。これは身分支配に覆われて私権の可能性が封じ込められていた、武力支配から見れば、私権獲得の抜け道が登場したということでもある。
市場の拡大につれて、人々に私権獲得の可能性が開かれると、それを導く新たな思想が登場する。それが近代思想である。
ただし、市場時代も制覇力が武力から資本力に転換しただけであり、なお力の序列原理によって社会は統合されている。従って、近代思想も古代宗教と同じく、現実を否定し頭の中の架空観念に収束するという、現実否定の倒錯観念としての構造は残したままである。
 
古代宗教と近代思想の違いは、古代宗教は現実を全面否定(捨象)しているのに対して、近代思想の正体は、開かれた私権主体の可能性だけを「個人主義」「自由」「人権」等の頭の中だけにしか存在しない架空観念(理念)で正当化していることである。従って近代思想は自己正当化の欺瞞観念と言う色彩が濃厚である。
 
参考:構造認識の現況1 否定意識や自我観念から脱却できない近代人=現代人 [8]
    観念パラダイムの逆転2 現実否定の倒錯思考 [6]
    観念パラダイムの逆転4 実現基盤を摘出できない、現実否定の「構造認識」 [7]
 
 
D.私権の強制圧力の衰弱によって実現可能性が開かれた⇒現実直視の新パラダイムへの逆転
  
先進国では’70年に貧困が消滅する。貧困が消滅すると共に生存圧力は衰弱し、それにつれて人々は私権(地位や金)に収束できなくなってゆく。
これまで人々の現実の可能性を封じ込めていた序列統合や、私権収束は急速に衰弱する。それと共に人々はそれまで封じ込められていた、現実の共認充足の可能性へと収束し始める(仲間収束等)。
現実の本源充足の可能性が開かれた以上、現実否定の潜在思念に立脚する、現実否定のパラダイムの衰弱は必然である。

 
頭の中だけの架空観念(既成観念)は忽ちの内に人々から見捨てられ、既成の思想は急速に力を失っていく。(ただし学者・マスコミなど共認形成の場を独占する知的特権階級の存在によって、なおも支配観念の地位は保たれたままであり、時代の大転換に対して全く答えを出せずに人々を閉塞に追いやっている。)
 
今現在、我々がなすべきことは、この既成観念(現実否定のパラダイム)を「全的に否定」し、現実を直視(可能性視)した人類本来のパラダイム(実現思考)へと早急に頭の中を塗り替えることである。
そして万人が参加しうる、新たな共認形成の場を拡大することで、旧パラダイム派に引導を渡し、みんなの共認によって統合される、共認社会への転換を促進してゆくことなのである。
 
参考:構造認識の現況2 特権知識階級の商売道具と化した「構造認識」 [9]
    思考次元3 本能⇒共認⇒観念の超越思考(構造認識) [10]
    観念パラダイムの逆転1 現実捨象の倒錯観念から、観念捨象の現実直視へ [11]
    観念パラダイムの逆転3 現実とは、人々の意識である [12]
    観念パラダイムの逆転5 現実、その下部意識と上部意識 [13]
    観念パラダイムの逆転6 残る観念は、頭で塗り替えたら終い [14]
    観念パラダイムの逆転7 新しい認識だけが、現実を変えてゆく [3]
 
%E5%9C%B0%E7%90%83%E3%81%AE%E5%86%99%E7%9C%9F.jpg
リンク [15]

[16] [17] [18]