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アメリカ7月危機説その状況は?

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なんでや劇場 レポート(7)~ドル・米国債暴落の引き金をいつ引くか?~ [1]
の中でも、扱われていたアメリカ財政7月危機説。もうすでに7月に突入していますが、何を根拠に危機説が唱えられているのかというところを扱っておきたいと思います。


●7月危機説とは?
<カリフォルニアのデフォルトの可能性>
  人口3500万、アメリカ最大の州で、経済規模的にも国換算すると世界第8位といわれるカリフォルニア州の財政が悪化。支払いに対するキャッシュが底をつきかけており、7/28日に債務不履行を出してしまうのではないか?不履行を出さないようにするには、20万人以上の公務員が5%の賃下げを求められており、数千人の消防士、看護師、教員が職を失う見込みだ。また、貧困家庭や失業者を支援を廃止、貧しい学生への補助金もカット、経費を浮かすために一部の囚人を前倒しで釈放する案なども出されるほど。
 
 こうしたカリフォルニア州「財政破綻」が発端となり、米国「デフォルト宣言」、暴動にまで発展する可能性があるという。
 
 カリフォルニアといえば海岸とのんびりしたライフスタイルを楽しむカリフォルニアは、アメリカンドリームの喜びの縮図のような場所だ。かのハリウッドをはじめ、シリコンバレー等産業も発展しており、財政難とは程遠いイメージがあったのだが、なぜこのような事態になったのか?
 
 
 ①カリフォルニアは、所得税やキャピタルゲイン税など、金持ちが払ってくれる税金に依存し過ぎてい
  るため、金融危機に際して、歳入が激減。知事は不況期に備えた予算安定化基金の増大を訴えて
  いたが、有権者がこの提案を否決していた。
 
 ②法改正を支持する署名を50万人分ほど集めることができれば、州全体の投票にかけられるようにな
  った。民衆のための制度ではあるが、実際は金持ちや利益団体が「数百万ドル払って人を雇い、ス
  ーパーの外で署名を集める」のだという。
   州憲法はこうした修正条項で膨れ上がっており、1998年に州に年間予算の40%を教育に投じるこ
  とを義務づけた提議など、しばしば予算策定に大きな制約を課している。
 
 ③機能不全に陥っている政治制度
  予算を承認するのに州議会で3分の2の多数票が必要な州は全米に3つしかなく、カリフォルニア州
  はその1つ。州議会の上下両院で共和党と民主党の議席が拮抗しているとあって、3分の2の多数票
  を獲得するのは現実問題、不可能だ。
 
 ④予算カットは米国の景気対策に反する
  「州はむしろ、予算に組み込まれている数十億ドルの法人税減税を見直すべきだ」という意見に代表
  されえるように、生活保護や医療、教育、刑務所にかける費用を削減する前に、法人税減税を中止
  すべき。金持ちが力を持つ州ゆえに、板ばさみになっている。
 
 【参考】2009年5月30/31日付 英フィナンシャル・タイムズ紙
 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/1149?page=4
 
 
 

<FEMAの訓練>
 6月始めにアメリカ合衆国緊急事態管理庁(FEMA)がプレスリリースした、非常事態演習の実施である。この演習は7月27日から31日までの間に、連邦・州の全官公庁が参加して行なわれることになっているのだが、なんとそれには、カナダ、メキシコ、それに英国までが参加するというのだから、驚きである。
 
 非常事態が発生し、戒厳令が施行された後には連邦政府に自治体および州政府の権限が移され、この連邦緊急事態管理庁(FEMA)が、連邦政府の執行機関として活動することになるのだが、その際には、大統領の上に位置するほどの権限を持つことになり、大統領を動かすことすらできると言われている。
 
 非常事態演習の真相~カリフォルニア州の財政破綻が引き起こす米国デフォルト宣言より引用
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=209446

 
 この時期に、非常事態演習が行われることは、アメリカ政府がカリフォルニアに救いの手(カリフォルニア債権の政府保証)を出す気がないという意思表示ではないだろうか。
<で7月に崩壊を迎えるか?>
 
 予算案が通らないこと自体は、共和党(与党)と民主党(野党)のせめぎあいにあるところが大きい。信用不安から借金(債券発行)をしづらい状況にはあるが、出来ないわけではない。破綻は誰しもが望むところではないので、お互い譲歩が進むのではないだろうか?
 
 また、冒頭に挙げた、生活保護や医療、教育、刑務所にかける費用を削減するといった内容は、誰しもが認めることの出来ない内容であり、それぐらいヤバイ事になってるんだよという、世論・政府に対するアピールではないだろうか。(そのアピールで利率が上がり債権発行しづらい状況になってもいるのだが・・・)
 
 したがって、直ぐには崩壊というところまでは行かないだろうと思われるが、今現在カリフォルニア州に起こっている、税収減・高所得者の要求主義・景気対策と称する法人税減税・債券発行不能といった内容は、アメリカの縮図といっても過言ではない。
 
 借金額65.5兆ドル(6500兆円)あるといわれている州・連邦を合せたアメリカ全体の自転車操業的財務状況は限界を迎えている。その、ほころびが最初にやってきたのが、カリフォルニア州だったというだけだろう。
 
 
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