人々の生産活力という観点から、今後の中国を考えてみる。
『ロシア政治経済ジャーナル』 2009/5/30号「中国超ダメ論(現地から)」(北野幸伯氏) [1]から引用。
3大投資家は口をそろえて「これからは中国が世界経済の中心になる」といっているが、中国在住のOJINという方が「アジアの街角から」 [2]というメルマガで、異議を唱えておられるらしい。
いつも応援ありがとうございます。
北野先生は最新のロシア政治経済ジャーナルで、世界の3大投資家、
1.ジョージ・ソロス(ソロス・ファンド・マネージメント会長)
2.ジム・ロジャーズ(10年で4200%利益を上げた)
3.ウォーレン・バフェット(ビルゲイツと、毎年資産世界1を争う)
が、現状と近未来について何を語っているか?を分析して、「経済だけの話なら同感です」と注釈しながらも、中国がアメリカに替わって世界経済の主役になるだろうという予測に賛意を示されています。
北野先生のまとめによると、
ジョージ・ソロス氏は、
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1.景気は底を打った
2.金融システムは崩壊しない
3.ドルは暴落しない
4.中国は、アメリカに代わり世界経済をけん引するようになる
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ジム・ロジャーズ氏は、
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1.米株はよい投資ターゲットではない。上がっていてもファンダメンタルズ
は悪いまま
2.09~10年に、米ドル中心の通貨危機が起こる可能性が高い
3.円は買い。ユーロは、ドル・ポンドよりマシ。
4.20年後、中国はアメリカを抜き世界最大の経済大国になる
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ウォーレン・バフェット氏は
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現在、まだ政策的な制限があるものの、バークシャー・ハサウェイ社は中国に
対する投資を強化していく。中国は現在まさに巨大な市場に成長し始めている
ところであり、誰もそれを軽視することはできない。
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特にジム・ロジャーズ氏の「20年後、中国はアメリカを抜き世界最大の経済大国になる」との見通しについてですが、??本当に可能性がありますか??
07年、中国のGDPは300兆円強、アメリカは1400兆円です。ざっと5倍弱。仮に中国が、毎年10%弱の経済成長を20年間持続できたとすればそれは可能でしょうが、では、10%弱の経済成長20年間継続(!!)というその根拠は?
ーーーということで、
以上の点も含めて、以前より「中国は多極世界の一極になる」という北野説に反駁し「なれるわけがない」と主張してきた理由、ーーー市井に暮らす庶民の目線から眺めた、何故中国が、米・露・EU・日などに及び得ないのかを述べてみます。
1.少子化・高齢化が重い足枷
中国の近未来成長予測で、最も考慮しなければならないのは、なんといっても「少子化・高齢化」問題です。現在の日本でも、この問題は国の将来に暗い影を落としていますが、中国も、1980年から始まった所謂「一人っ子政策」の歪によって、同じように少子化・高齢化問題を抱えています。いやそれは、なにがなんでも人口抑制という国の政策として厳格に実施されてきただけに、日本よりもはるかに深刻な歪をもたらしています。
全く同じではありませんが、中国のそういう統計が見当たりませんので、日本の約十倍、という大雑把なモノサシで比較計算してみます。
一人の女性が、生涯で何人子供を産むかを示す合計特殊出生率に、ありそうな仮定を入れて計算された日本の約40年後の2050年のデータでは、総人口1億2百万人。ーーー2100年には4700万人、になります。日本は、2100年には、現在人口の60%減の国になります。
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2050年の日本の年齢別構成
14歳以下の子供約1100万人、構成比率=2005年:13.8%→2050年:10.9%
生産年齢(15歳~64歳)5300万人、構成比率=同上、66.1%―→52.2%
老年(65歳以上)約3800万人、構成比率=同上、20.2%―→36.9%
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と推定されています。2050年では85歳あたりの人数が一番多い国になります。ーーー国の平均年齢は、目分量で65歳あたりでしょうか。
「国立社会保障・人口問題研究所」 [3]
生産に携わる人口は、現在の約8400万人から5300万人に減少します。ーーー37%も減ります。総人口は21%の減ですが「生産人口はその倍近い比率で減る」ことになります。ーーー意味するのは「生産人口一人当たりの扶養する人数が増える」ということです。
さてでは中国、
日本の2050年1億2百万人、2100年4700万人という数字で、中国の現在人口13億人を、同じ率で計算してみると、2050年11億5百万人、2100年5億7百万人ということになります。
なんだ、人口が減ってもまだそれだけいるじゃないか、と感じられるかも知れませんが、それはとんでもない誤りです。総体の数だけいればいいというものではなく、問題は、生産年齢人口の割合がどれぐらいか、ということです。
国の人口が減るということは普通、生産に従事する人口が減り、非生産人口の高齢者人口比率が増えるということです。ということは「少なくなっていく生産年齢層に社会負担が圧し掛かっていく」ということであり、社会が縮小するから経済活動も縮小し、そんな中で、非生産高齢者の扶養負担だけが増え続ける、という流れになります。

