これまで市場化が進行していると思っていたロシアが、なんと国有化へ向かっている
1年前から、この動きに気付いていた人達もいた様ですが、
「プーチンの真の狙いとは?」 [1](るいネットより)
今が、彼の野望を実現させる時なのか?
以下、(「プーチン“国有化劇”大詰め 金融崩壊に乗じ資本家一掃」フジサンケイビジネスアイ [2]より)
ウラジーミル・プーチン氏=写真(ブルームバーグ)=は2000年にロシア大統領に就任した後、2年間で、2人のオリガルヒ(新興寡占資本家)を国外へ追いやり、さらに2人のオリガルヒを刑務所へと送り込んだ。今、首相の座にあるプーチン氏は、世界的な金融市場の崩壊を利用して、オリガルヒとの対決に最終決着をつけるつもりなのかもしれない。
プーチン首相と、メドベージェフ大統領は、資金繰りに困っているロシア企業に対して融資を約束した500億ドル(約5兆円)を使い、政府の支配を実業界に広げようとしている。その中にはオレグ・デリパスカ氏やミハイル・フリードマン氏といった大富豪が含まれている。
露ウラルシブ・ファイナンシャルでチーフストラテジストを務めるクリス・ウィーファー氏は、「これによって政府はロシアの大手企業に対して、より大きな影響力を持つことになるだろう」と指摘する。「ロシアに残されたオリガルヒは『国家』だけになる」という。
これらはすべて、10年前の裏返しといえる。当時、オリガルヒは、破産寸前だったエリツィン政権に対し、資金提供を行っていた。
米誌フォーブスによれば、ロシアの資産家上位100人の資産の合計は、ロシア経済の3分の1に匹敵した。ブルームバーグの調査によれば、ロシアの富豪上位25人が、今年5月以降のロシア株式市場暴落で資産の62%にあたる2300億ドル以上を失った。
そして、プーチン首相は、残った最大の財布のひもを握っている。財布とはすなわちロシアの5310億ドルに上る外貨準備高であり、プーチン首相は国営対外経済銀行(VEB)を通じて融資を行う。プーチン首相はVEBの監督委員会の委員長を務めている。
オリガルヒはその資産を1990年代に手に入れた。当時、ロシア政府は、企業の所有権を個人の手に委ねはじめ、当局は弱体化した。オリガルヒはエリツィン政権に資金提供をすることと引き換えに、同国の鉱業最大手ノリリスク・ニッケルなどを手に入れた。ただオリガルヒの手助けがあっても、ロシアは1998年のデフォルト(債務不履行)を避けることはできなかった。
その約2年後に、オリガルヒの1人、ボリス・ベレゾフスキー氏の支持を受け、プーチン大統領が生まれる。実業家でもあり、政治家でもあったベレゾフスキー氏は、エリツィンの側近グループの1人だった。
そのベレゾフスキー氏は、プーチン氏によるオリガルヒ撲滅活動の初期の犠牲者となった。詐欺罪での追及を受けたベレゾフスキー氏は2001年、ロンドンに逃亡した。
最も“称賛”されるべきは、ホドルコフスキー氏のケースだろう。ホドルコフスキー氏は脱税などの罪で逮捕された。国営石油ロスネフチがホドルコフスキー氏の会社の大部分を引き継いだ。ロシア政府は今や、石油生産の44%、天然ガス輸出のすべてを管理している。
ロシア中央銀行のアレクセイ・ウリュカエフ筆頭副総裁は今月1日、VEBが、借り手に対して、他の融資先を探すことを禁じる権限を手にする方向だと明らかにした。これは、借り手の「負債が増えることを避けるため」だという。
ウラルシブのウィーファー氏は、これにより、国家が企業の投資や開発を「指図する」ようになるだろうと指摘した。VEBによれば、13日までに、500億ドル以上の融資申し込みがあった。(Torrey Clark、Henry Meyer)
この動きは、ロシアの国力拡大という意味だけでなく、金貸しの力が弱まるという側面も持ち合わせている。
ロシアの大統領ドミトリー・メドヴェジェフ・は、多極化を叫んでいる [3]様だし、今後、多極化の1極を担うだろうロシアは、その目指すべき姿に一歩近づいた様だ。