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レバレッジ率で見る金融系企業の行方

リーマン・ブラザーズは、潰され
メリルリンチは、バンク・オブ・アメリカに買収され
ファニーメイとフレディマックは、政府の管理下におかれた。

この違いは、何なのか?
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ロックフェラーVSロスチャルド
で紐解くことも出来るが、金融市場の膨張・混乱・破綻を招いた
金融用語で言うレバレッジ(てこの原理)で見ることもできる。
10月1日付けのニューズウイーク(p33)からの紹介。

レバレッジ金融モデルの終焉
 ウォール街はもうおしまいだ。メリルリンチがバンク・オブ・アメリカに買収され、リーマン・ブラザーズが経営破綻し、AIGが850億ドルの公的資金で救済されただけではない。ウォール街のビジネスモデルが崩壊したのだ。
金融市場に渦巻く欲望と恐怖がこの世界的な危機を生み出した。危機がいつ終わるのかはわからない。はっきりしているのは、危機の起源が80年以降のウォール街の変貌にあるということだ。
巨大投資銀行や証券会社、ヘッジファンドにプライベート・エクイティ・ファンド―――これらに代表される
 ウォール街のビジネスモデルには、三つの特徴がある。
 まず、金融機関が伝統的な業務を超えて活動するようになった。かつてゴールドマン・サックスやリーマン・ブラザーズといった大手の投資銀行は、主に顧客向けの仕事をしていた。保険会社など大手機関投資家に代わって株式や債券を売買したり、企業が発行する株式や公社債を引き受けていた。企業に対してM&A(合併・買収)の助言もした。こうしたサービスで手数料収入を得ていた。今では大半の金融機関が、いわゆる自己売買もしている。自己資金を使って株や債権に投資することだ。以前は個人投資家を相手にしていたメリルリンチなどの証券会社も自己売買に乗り出した。銀行業務と証券業務の分離を定めたグラス・スティーガル法が99年に廃止されると、商業銀行もこうした投資に手をだすようになった。
 ウォール街の第2の特徴は、報酬が賞与に著しく偏っていること。(中略)
 第3に、投資銀行は借入金に大きく依存して投資している。金融用語でいえばレバレッジ(てこの原理)だ。典型的なのがリーマン・ブラザーズ。昨年後半に保有していた株や債権などの証券は総額約7000億ドルだが、自己資本は約230億ドルで、残りはすべて借り入れまでまかなっていた。レバレッジ比率は30倍になる。
 レバレッジを効かせれば大儲けすることができる。たとえば100ドルで買った株が110ドルに上がれば、利益は10%。ここで100ドルのうち90ドルが借入金なら、10ドルの元手が一挙に2倍になる。これら三つの要因がからみ合って、ウォール街はギャンブルの場と化した。怪しげな住宅ローンが証券化され、売買された。金融機関はレバレッジを増やしたが、業績好調なうちは政府は無関心だった。議会はファニーメイフレディマックの規則強化に反対。両政府系住宅金融のレバレッジ比率は推定60倍を超えた。
 金融機関は顧客や貸し手をだまして、危険な取引をさせていたのではない。リスクが低いか、存在していないと考えていた。短期の利益に目がくらんで長期のリスクが見えなくなっていた。
問題が表面化するのは必然だった。住宅ローンが焦げつき、レバレッジが逆回転を始める。金融機関は巨額の損失を出し、資本基盤を弱める。リーマン・ブラザーズは、今年、自己売買で80億ドルを失ったが、それが無ければ黒字だった。
金融危機と戦争の共通点
 ウォール街は今後どうなるのだとろか。金融機関は資本増強する必要がある。メリルリンチがバンク・オブ・アメリカに身売りしたのは、商業銀行のレバレッジ比率が比較的に低い(約10倍)からだ。過小資本の金融機関はレバレッジを減らさざるをえないだろう。
 こうした動きはやがていい結果をもたらすかもしれない。金融機関がばかげたリスクを取ることは、少なくとも当面は減るだろう。優秀な人材が、金融より生産性の高い産業に移ってもおかしくない。 だが短期的には経済全体に悪影響を及ぼしかねない。すでに失業者が出ている。銀行の貸し渋りで景気回復が遅れるかもしれないし、株式市場の低迷で消費が落ち込むかもしれない。金融機関の破綻がまだ続くおそれもある。
 予測はむずかしい。金融危機がある意味で戦争に似ているからだ。どちらも当初の見込み違いから起きる。

参考に他の金融系企業のレバレッジ率(年)=総資産を株主資本合計で除した倍率
を調べてみました。データーは全て連結決算値。
●証券会社
モルガン・スタンレー [1]・・・・・・・33.4倍(2007年)
ゴールドマン・サックス証券 [2]・・23.4倍(2006年)
メリルリンチ証券 [3]・・・・・・・・・・31.9倍(2007年)
野村證券 [4]・・・・・・・・・・・・・・・13.2倍(2008年3月)
●保険会社
AIG [5]・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11.1倍(2007年)
日本生命 [6]・・・・・・・・・・・・・・・・13.8倍(2008年3月)
●銀行
シティグループ・ [7]・・・・・・・・・・・・・・・・・15.7倍(2006年)
JPモルガンチェース・ [8]・・・・・・・・・・・・・11.7倍(2006年)
三菱UFJファイナンシャルグループ [9]・・・20.1倍(2008年3月)
三井住友ファイナンシャルグループ・ [10]・・21.4倍(2008年3月)
※上記のデーターからいくつか疑問が浮かびあがる。
①米証券が約20~30倍に対して、野村證券が13倍と低いのはなぜなのか?
②米銀行が約10~15倍に対して、日本の銀行が約20倍と高いのはなぜなのか?
  ・米国債や米証券をたくさん買わされているからだろうか?
③公的資金で救済されたAIGが11倍と低いのはなぜなのか?
  ・やはり、総資産の中身をみてみる必要がある。

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