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FRBの救済策:新型証券融資、そして急激に資産が劣化

リーマン→メリル→AIG~金融破綻の連鎖が意味するものは? [1]
>いずれ米財務省・FRBが本丸である米住宅公社への救済策を打ち出すことになるが、具体的にどういう救済策がありうるか? その仕組みの調査が必要。FRBの通常の役割だけでは不十分。異常事態に対してどこまでの裏業・禁じ手が打てるのか、想定しながら調べる必要がある。
まず、昨年からの金融不安に対してFRBがどのような手を打ってきたのかについて調べてみた。
FRB資産全体の半分近くを流動性対策に投入 [2] 2008年7月3日 (日経ビジネスオンラインより)
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  ※上表縦軸の単位は10億ドルです

FRBの流動性対策の総額は、6月末近辺時点で4125億ドル(約43兆円)に達した。FRBの資産全体に対する比率は5割弱にもなる。凄まじい規模だ。金融システムに資金繰り上の巨大な「生命維持装置」を取り付けたような状態と言える。
 昨年6月末は、FRBの資産の9割以上を米国債が占めていた。しかし、現在は金融機関向け貸し出しが急増している。FRBが担保として受け入れているものの中には、信用度が劣り、市場で換金しにくいものも含まれている。

この表から分かるように、従来FRBの資産であった国債から、TAFやTSLFやPDCFに資産が変わってきている。この聞きなれない資産とは何なのだろうか?
『ドル崩壊』 三橋貴明氏より

実体経済が刻一刻と悪化していく中、アメリカの金融業界ではかって見られなかった奇妙な金融スキームが、幾つか実行に移されつつあった。
1つ目は、FRBの新型証券融資、すなわちTAF、TSLF、そしてPDCFの3つの新スキームの登場である。これは利下げやインターバンクへの資金供給に加えて、FRBが新たな流動性供給の枠組みを創設したものである。しかもこれまではアメリカ国内の商業銀行にしか認めていなかったFRBの窓口融資を、投資銀行に対しても認めたスキームも登場し、以前のFRBを思えば信じがたいほどドラスティックな政策といえる。
3つの新型証券融資はTAF(07年12月12日)、TSLF(08年3月11日)、PDCF(同月16日)の順番に導入されたが、内容が徐々にラディカルになっている。まるで流動性確保の努力を続けているにもかかわらず、信用収縮の拡大を食い止められないFRBの焦りを証明しているかのようでもある。
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FRBは莫大なドル供給や繰り返される利下げによっても、金融市場の信用収縮をなかなか止めることが出来ないでいた。苦境のFRBを救うべく、颯爽と登場した新型証券融資であるが、諸悪の根源であるRMBSなどのモーゲージ資産を銀行資産からFRBに移し、代わりに米国債を市場に供給することで流動性を確保するという、いわば究極のスキームなのである。
(中略)
要は、アメリカの金融業界は自分たち(市場)の力ではもはや問題を解決できなとFRBに判断され、連邦政府による直接的な救済が始まったのだ。
この極めて異例な流動性対策には、FRBのみならずECB(欧州中央銀行)やイングランド銀行など、各国の中央銀行も協力している。

驚いたことに、サブプライムローンの諸悪の根源であるRMBS(住宅ローン債権を証券化したもの)などのモーゲージ資産をFRBが引き取り、代わりに手持ちの米国債を発行している。どの程度の評価額で担保としているのかはっきりしないが、クズ同然の証券を金融機関が潰れない程度に評価するはずで、FRBの資産は今年に入って急激に劣化しているのは明らか。
しかも7月の段階で既にFRBの資産の半分を占めている。
そしてFRBの資産内で手を打つには既に限界が見えて、7月末段階で無制限発行できるように次の手を打ったのだろう。
(参照)「米住宅金融支援法」~FRBと財務省が無制限にドルと米国債を発行できる? [1]
(by Hiroshi)

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