2008年09月09日の記事「次の政権はマスコミの論調で決まる⇒日経・読売の場合」に続き、産経新聞の論調を取り上げてみる。
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産経政治ニュース「小沢氏3選 政権担うには説得力欠く(9/9)」
民主党代表に無投票で3選された小沢一郎代表が発表した政権構想の骨格は、説得力があるとは言い難い。具体的政策は政権奪取後に練り上げるという趣旨の説明では疑問点は解明されない。
本来ならこうした疑問は代表選を通じた政策論争を深める中で解決の道筋が示されていくが、代表選が実施されなかったことでその機会が失われた。きわめて残念だ。民主党が政権を担える政党であるかどうかが引き続き問われる。小沢氏は21日の臨時党大会で骨格を肉付けした政権構想を示すが、日本をどうするかをもっと具体的に説明してほしい。
「新しい政権の基本政策案」は、国民の生活第一の原則に基づいて政治・行政の仕組みを作り替え、格差がなく公正で共に生きる社会を築く-としている。
与党議員100人以上を副大臣などに起用し政府に送り込む構想は、官僚主導の政策立案を見直す政治改革の意味合いがある。
問題は、農業、漁業者への所得補償制度創設や子供1人当たり月額2万6000円の手当支給などの財源である。小沢氏は「税金の無駄遣い根絶」を挙げ、「無用の予算がある。財源がないという議論は官僚の言い分を認めているだけだ」などと主張した。「行革ですべては賄えない」などは党内からも指摘されている。民主党政権にすべてを一任せよというだけでは国民は理解できまい。
外交・安全保障では「強固で対等な日米関係」「国連の平和活動に積極的参加」を打ち出した。焦点は、インド洋での海上自衛隊による給油支援など、テロとの戦いに日本がどう関与するかだ。
小沢氏は昨秋、給油支援は「憲法違反」と断じる一方、アフガニスタンでの国際治安支援部隊(ISAF)参加を実現したいと月刊誌に寄稿した。だが、民主党が国会に提出したアフガン支援法案は停戦合意か治安の安定を前提としており、現実的ではない。小沢氏の主張は民主党内でどう整理されたのか、はっきりみえない。
民主党は基本政策をめぐる論争を封じているのではないか。党内合意作りが難しいからだろう。
先の国会での対決一辺倒の政局至上主義は国政の停滞と混乱を招き、党内からも異論が唱えられた。小沢代表の任期は2年間だ。政権交代を自己目的化するのではなく、国益や国民の利益をどう実現するかを明確に語るべきだ。
「小沢の政権構想に説得力がない」「財源をどうするのか」「給油支援など日米関係をどうするのか」というように、小沢に対して疑問を投げかけている論調は、日経・読売と全く同じである。
「国益路線なのか、従米路線なのかはっきり明言せよ」ということだろう。本郷さんが書いているように、背後には「従米路線に転換せよ」という圧力が強く働いているのではないだろうか。
ところで最後の一文に「国益や国民の利益をどう実現するか」とあるが、まさか反米で真に国益を求めているとは考えにくい。これも早く「姿勢を明確にせよ」という裏付けではないのか。