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中国に対する欧州の「二重態度」:人権<国益

Posted By cosmos On 2008年3月26日 @ 12:17 PM In 09.国際政治情勢の分析 | 6 Comments

現在、中国はEUの第2の貿易相手国になっており、経済関係を強めつつある。どうも国家戦略上も重要な位置を占めているようで、チベット騒乱に対する欧州各国の対応にその一端が垣間見える。
 
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                五輪旗とチベット国旗(雪山獅子旗)
 
今回のチベット問題に関して「人権先進国」の欧州各国は沈黙を保っている。かのアメリカも中国政府に対し「人権状況は改善された」という判定を下し、中国を「人権侵害国」の年次リストから外したばかりだ。(注:チベット騒乱が始まる直前)リンク [1] 
 
まずは、この記事から御覧ください。
 

<取材日記>チベットにはノーコメントの欧州
 
 欧州の各紙には連日、チベット人をたたく中国兵士の写真が掲載されている。相当数の欧州のマスコミは、チベット騒乱に関連、中国に対して批判的立場を示す。人権問題を取りあげてのことだ。欧州は「人権先進国」だ。
 数日前、パリの中国大使館では、チベットデモ隊の一人が大使館によじ登り、中国国旗を掲揚ポールから引きずりおろし、その代わりに中国政府が禁じているチベットの旗を結びつけた後、逮捕された。デモ隊がパリを選んだ理由は、パリが人権先進国・欧州の中心だからだ。国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」の本部もパリにある。
 最近、セルビア領土に住んでいたコソボ人が独立を宣言したとき、西ヨーロッパは一斉にコソボを国家承認した。冷静に考えてみれば、コソボは国際法上に、明白なセルビアの領土である。独立問題もセルビア政府が決めるべきことだ。それにもかかわらず、英国・フランス・ドイツなどがコソボのために圧力をかけて、掲げた名分は人権だった。
 ところが、欧州諸国はチベット暴動にはまったく触れずにいる。フランスのクシュネル外相が個人的に示した「北京五輪・開幕式の不参加」発言が唯一だ。それさえも通り一遍に思われる。コソボのときとはあまりにも異なる。欧州は何故こうだろうか。答えは中国の経済力にある。
 中国は昨年、日本に続きルイ・ヴィトンの二番目の消費国になった。ルイ・ヴィトンは、世界トップの仏高級ブランドグループである「LVMHモエへネシー・ルイ・ヴィトングループ」を代表するブランドだ。2015年になれば、中国は全世界の高級ブランドの3分の1を消費する国になるという。
 高級ブランドの大国、フランスが中国に対し「チベット人権弾圧」と激しく批判する場合、どんなことが起きるだろうか。中国がじっとしているわけがない。中国で仏高級ブランドの不買運動が広がれば、パリは大騒ぎになるだろう。他の欧州諸国も同様だ。数億~数十億ウォンもする高級乗用車のポルシェ(ドイツ)やフェラーリ(イタリア)の中国への輸出も毎年2桁成長を続けている。
 これだからドイツもイタリアも中国を軽視できない。英国は最近、中国に2000億ドル(約200億円)に相当するファンドの開設を要請した状況だ。チベット騒乱に対する欧州の沈黙は、このように簡単にお金の論理で説明できる。冷厳な国際社会の現実かもしれない。それでも人権先進国といわれる欧州の「二重態度」を見ているようで残念に思える。
中央日報 Joins.com 2008.03.21 16:09:02

 
 
ここでは高級ブランドや高級乗用車が取り上げられているが、当然のことながら企業レベルの話ではない(勿論、これらの企業は国家との繋がりも強いことは事実だが)。
 
今の国際情勢は、経済を中心とした覇権闘争として分析すると理解しやすい。あらゆる紛争や内紛、それらを巡る国際情勢も、生き残りをかけたアメリカと次の覇権の足がかりを固めようとする勢力、その周囲で情勢に応じて国益を図ろうとする国々の構図が鮮明になりつつある。
 
昨年11月26日には、フランスのサルジコ大統領が中国を訪問し、エアバスや原子炉建設に関わる総額200億ユーロの売買契約を調印しており、スペインはEU以外では中国が最大の貿易相手国となりつつある。
 
中国市場の拡大を見据えて、EUも中国との関係を強化しつつある。アメリカの衰退を目の前にして、欧米中露のパワーバランスは流動化しつつもアジアを中心に焦点を結ぼうとしているかのように思える。
 
今中国を批判することは、控える北京オリンピックボイコットに直結することになるため、欧米各国政府は自国の世論とは裏腹に沈黙を保つしかない。各国とも中国との関係悪化は避けねばならないタイミングなのだ。記事中にもあるように、せいぜいが「北京五輪・開幕式の不参加」発言どまりである。
 
 
by コスモス


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