- 日本を守るのに右も左もない - http://blog.nihon-syakai.net/blog -

アメリカの債務はどうなる?→ドル・米国債暴落はあるのか?①

%E3%83%89%E3%83%AB%E7%B4%99%E5%B9%A3.jpg
ドル基軸通貨体制が崩壊するということは、ドルと米国債が暴落するという危険性を孕んでいるということである。それによって日本は危機的な状況に追い込まれる。ドルと米国債を買わされ続け、大量のドルと米国債を保有しているのが日本だからだ。この予測が不可欠だろう。
いつも応援ありがとうございます。


国際金融資本はどんなシナリオを描いているのだろうか?
まずは叩き台として、『晴耕雨読』の早雲氏の予測「米国政府の対外債務返済能力 下」 [1]から引用。

米国の対外債務返済能力欠如が目に見えるかたちになり国際的な疑念を生むことは、戦後世界経済構造の終焉を意味するものであることがわかるはずだ。
日本をはじめとした対米輸出依存国民経済(日本のアジア向け輸出も迂回的ではあるが米国依存)は、産業構造を大きく変容させなければならない。(新興産業国民経済である中国は日本とは比較にならないほど深刻な打撃を受けることになる。中国が暴発しないことを切に祈る)日本の「デフレ不況」や今後予測される「世界同時デフレ不況」も、笑い話になってしまうような世界レベルでの経済的激変である。
米国の過剰対外債務問題をどう処理するかは、余剰通貨問題と並んで、世界が議論(もちろん秘密裏に)しなけれならない緊急かつ最重要の課題なのである。

悪意があるかどうかの問題ではなく、米国の対外債務が完済されることは経済論理的に不可能なのである。貯蓄率がほぼ0%という実状に照らせば、経常収支の赤字を埋めるだけの資本収支の黒字、より具体的に言えば、政府債務の利払いと償還に新規財政赤字を合算した額以上のドルが国外から流入する限りにおいて、「米国国債サイクル」を維持することができる。

FRBが通貨を増発して返済していけばいいという反論も予測される。まず、米国政府及びFRBは、85年の「プラザ合意」や現在のような「ドル安容認」で、対外債務の軽減化を測ってきたと考えている。しかし、その結果は、さらなる経常収支の悪化であり政府債務の増加である。

そして、FRBが対外債務を履行するためにドル紙幣を増発すれば、ドルが国際商品の価格表示機能を持っていることから国際的にインフレが昂進することになる。(対外支払いなので、米国のインフレは後追い的に進む。これまでも、米ドルが米国以外に滞留していることで米国のインフレ率は低く抑えられていた)これは、無条件に主要通貨に対するドル安進行につながっていく。ということは、経常収支のさらなる悪化と政府債務のさらなる増加を意味するとともに、金融経済主体が保有しているドル資産が減価することでもある。

経済の論理をきちんと踏まえ、大騒ぎすることなく米国の対外債務問題を処理しなければ、失礼だがアルゼンチンとは違って、利息を受け取れないとか、償還が受けられないというレベルを遥かに超えた激震が世界を襲うことになる。米国政府が、いよいよ行き詰まってから、兌換停止のときと同じように一方的なデフォルトを表明しないよう切に願っている。今からでも処理策を協議すれば緩和的に対応できる問題であり、日本がその中心を担える問題でもある。

(本郷猛)

[2] [3] [4]