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国連の出自~第二次大戦の戦勝国の軍事同盟

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国際金融資本はアメリカ一極支配の次に、どのような世界を展望しているのであろうか?
切り口として『晴耕雨読』「今後の世界と日本~世界経済のゆくえ」「“新世界秩序”は米国の一極支配をめざすものではない」 [1]から引用する。
いつも応援ありがとうございます。

戦後世界こそが米国の一極支配構造であり、“脱戦後世界”は、それとは違った新しい支配構造がプランされているはずです。
米国一極支配という戦後世界構造が終わっても、すぐに国連という政治的再編には進まないと考えています。なぜなら、ある意味局地戦である「対イスラム戦争」よりも、先進諸国を襲う同時的デフレ不況という経済問題のほうが世界的な関心事になると予測するからです。
米国の経済的崩壊はイコール戦後世界構造の崩壊です。政治はあくまでも経済社会の統合手段です。新世界秩序として最初に着手されるテーマは、金融と産業の制度的改変だろうと予測しています。
政治的再編は、“新国連”という世界政府的権力機構の前に、地域の政治的再編が行われると見ています。国民国家から一気に世界政府というシナリオは無理があります。その中間形態として、地域の緩やかな政治的統合体がテーマになるのではと予測しています。
経済的再編及び政治的再編には、ユーロとEUというリアルなサンプルがあります。主権国家を残しながら、近代国家の生命線とも言える通貨発行&管理権をBOE(欧州中央銀行)に譲り渡す“愚”がひとまず実現できています。EUは、さらに主権国家である加盟国から政策の独立性を奪うために、EU憲法の制定にまで進もうとしています。EUとユーロは、プランされている新世界秩序を推察する上で貴重な実態だと思っています。もちろん、EUとユーロは、あくまでも“実験”ですから、そのまま本番に直結するわけではないと考えています。

『晴耕雨読』の早雲氏によれば、アメリカ一極支配の次に経済的再編→地域の政治的再編→新国連という最終的権力機構への統合へと向かう(その実験体がEUとユーロ)とのことである。
確かに現在、EUとユーロに倣った各地域の経済圏構想が進行中らしい。
早雲氏の言う最終的権力機構である「新国連」、その前提となる現在の国連が、どのような機構なのか?を明らかにしたい。
以下、『国際派日本人養成講座』「国際連合、3つの幻想」 [2]からの引用。
■1.隠された「国連」の生い立ち■

国際連合は、英語で The United Nations と言う。ちなみに第二次大戦中、日独伊の枢軸国と戦った「連合国」も、The United Nations である。中国語では「連合国」も「国連」も「聯合國」である。なぜか?
答えは簡単、「国連」は「連合国」という軍事同盟から生まれたからである。日本語で「国際連合」と「連合国」とにわざわざ訳しわけていることは、国連の生い立ちを隠していることになる。
わが国では「国連」を世界連邦をめざし恒久平和をもたらすという理想的なイメージで捉える向きが多いが、それは国連の生い立ちを知らないことから生まれた幻想である。

■2.「国連」は「連合国」の軍事同盟関係を発展させたもの■

幻想の正体を明かす前に、まず国連の生い立ちを見ておこう。1945(昭和20)年4月25日、第2次大戦末期に「国際連合(と言うより、連合国)憲章」作成のためのサンフランシスコ 会議が開催された。参加招請状を出したのは、連合国の中心として戦った米ソ英中4カ国であった。
参加招請状の送付先選定には、「1945年3月1日までに枢軸国に宣戦布告をした国」という条件がつけられていた。結果として総計50カ国が参加したが、会議に参加したいがために、あわてて枢軸国に対して宣戦布告した国も少なくない。この条件からスイスのような中立国や、スペインのような非交戦国は排除された。ちなみにドイツ国防軍が無条件降伏をしたのはこの後の5月7日であるから、この時点では日独が枢軸国として戦っていた。
サンフランシスコ会議の参加国の合意により、国連憲章の最終案が成立したのが6月26日。日本はまだ戦っていた。過半数の参加国が批准書をアメリカに提出して、国際憲章が発効したのが10月24日。日本は9月2日に降伏文書に署名している。
したがって、「国連」は第2次大戦末期に「連合国」の軍事同盟関係を国際機関として発展させたものというのが、その生い立ちである。そして大戦中の連合国 The United Nationsという名称がそのまま使われた。
わが国でも、当初は「連合国」という呼称をそのまま使っていたが、政府の事務方の段階で「国際連合」という仮称が浮上してきて、だんだん大勢を占めていったようだ。それは、「連合国」という敵陣営が、そのまま戦後の国際機関となるという冷厳な事実に対する国民の「違和感」を緩和させるための政治的表現であったようだ。しかし、この「真実」を覆い隠した政治的表現が後に国連に対する幻想を生むことになる。

■3.幻想その1「平等主義」■

国連はすべての国に平等に開かれた国際機関である、という認識が根強いが、決してそうではない。「連合国」という軍事同盟から発展した、と言う素性がいまだに尾を引いている。
国連は、米英仏中ソの5大国を中心とする「連合国」が、枢軸国の日独を牽制することを目的として作られたので、5大国には特権を与え、枢軸国に対しては差別的な扱いをしている。
まず5大国は国連の中心的役割を担う安全保障理事会の常任理事国であり、その決定について拒否権を持つ。5大国の1カ国でも反対したら、安全保障理事会は何事も決定できないのである。

つまり、国連とは第二次大戦の戦勝国の軍事同盟「連合国」による世界支配の秩序体制であり、それに日独などの敗戦国や非同盟諸国を取り込んでいき、拡大していったのが現在の国連である。そこでは未だに米英仏中ソの5大国が絶対的権限を握っており、とりわけアメリカの横暴ぶりは著しい。
『るいネット』「国連とアメリカ 1945~80年代」 [3]参照。
国連的な権力機構を金融資本が最終的に構想しているのだとすれば、国際金融資本が描く世界支配像は次のようなものかもしれない。すなわち、世界をアジア・ヨーロッパ・ロシア・南米・北米・(アフリカ)といった数エリアに分割・再編し、各エリアの最強国同士の談合によって世界を支配する体制、それが国際金融資本が狙う最終支配形態と考えられなくもない。
いずれにしても、国連が「全ての国に平等に開かれた国際機関」「全ての争いを話し合いで解決しようとする国際機関」というのは幻想であることまでは間違いなさそうだ。
(本郷猛)

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