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郵貯・簡保の資金はどこへ行くのか?

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9月1日、ゆうちょ銀行の債券管理業務を米大手証券ゴールドマン・サックス(GS)系列の日本トラスティ・サービス信託銀行が10億円の「マイナス落札」で手に入れた。
『Financial Journal』の9月4日の記事「ゆうちょ銀債券管理 日本トラスティ信託が10億円支払い落札」 [1]参照。
10月4日の記事「郵政民営化が国家破綻につながる!? [2]」にあるように、これまで郵貯・簡保の資金は旧大蔵省の財政投融資によって日本の国債買いに使われていた。それが日本の国債ではなく、ゴールドマンサックスを介して海外に流出していくであろうことは間違いない。その350兆もの資金の流出先はどこなのか?
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まず、考えられるのは①従来通りの米国債買い・ドル買いだが、日本の国債の買い手がなくなると、日本の国債価格の下落→長期金利が上昇し、これまで日本の米国債やドル買いをさせてきた基盤である日米金利差がなくなりかねない。もう一つ考えられるのは、②ゴールドマンサックスを介して中国へ流出すること。
西尾幹二氏が10月2日付けの産経新聞に「米国の仕組む米中経済同盟」という論説を書いている。

経済問題における米国と中国に対する対応の仕方は、歴史を振り返ると、正反対といえるほどに異なっている。戦後日本が外貨を稼ぐ国になると、米国は一貫して円高政策を推進して、わが国輸出産業を潰しにかかった。1985年のプラザ合意は露骨なまでの日本叩きだったが、日本の企業が負けなかったのはなお記憶に新しい。
ところが米国は中国に対しては完全に逆の対応をしている。1994年から2006年までの12年もの長期にわたり元は1ドル=8元という元安のまま変動させない。2001年から中国の外貨準備高は上昇し始め、昨年日本を追い越した。徹底的な中国庇護策である。
それもそのはずである。中国で工場生産して外国に輸出している企業は中国の企業ではなく、米国の企業だからである。米国への輸出企業のトップ10社のうち7社は米国の企業である。経済は国境を越えグローバリズムになったという浮いた話ではなく、完璧な米国のナショナルエゴイズムである。このことは他方、米国の1/30で生産できる中国の労働力に米国経済が構造的に支配され、自由を失っていることを意味する。
軍事的超大国の米国はそれでも中国が怖くはないが、以上の米中の関係は日本にとっては危険で、恐ろしい。福田政権が国益を見失い、軍事的にも米中の利己主義に翻弄されつづける可能性を暗示している。

これまで日本がドルや米国債を買い支えてきた財布であったわけだが、アメリカは日本に代わる買い手(財布)として中国に目をつけた。1ドル=8元という異常に安い為替レートに固定するなど、中国の市場拡大を庇護し続け、その見返りとして米国債やドルを買い支える役割を日本に代わって担わせている。実際、中国は2006年、政府ベースで米国債の最大の買い手となり、外貨準備高で日本を抜いている。つまり、アメリカにとって一番の財布は日本ではなく中国になったということ。
副島隆彦氏著『ドル覇権の崩壊』(徳間書店刊)によれば、中国の市場を拡大させた総司令部が、ジェイ・ロックフェラー系列のゴールドマンサックスらしい。中国でもデビッド・ロックフェラー系列のシティ・グループが撤退しつつあり、ゴールドマンサックスの力が大きくなりつつあるということだ。ゴールドマンサックスが日本の郵貯・簡保の資金を中国に投下し中国を儲けさせた上で、米国債やドルを買わせるという戦略である可能性が高いように思う。
ベンジャミン・フルフォード氏がブログ [3]で書いているように、ジェイ・ロックフェラー+ロスチャイルド連合が中国で500機の原子炉の建設を目論んでいるとのことだが、郵貯・簡保の資金はそんなところに投下されるのではないか。日本の郵貯・簡保が国益のためではなく、西尾幹二氏の言う「米中の利己主義」のために使われる危険性が高い。
しかし、この戦略にも矛盾がある。
中国が日本と同じようにアメリカの言いなりになるとは限らないということだ。実際、今年の4~6月にかけて、中国はそれまで買い続けてきた米国債を売りに出ている。中国の市場が成長すればするほど、アメリカに対する影響力が強まり、下手をすれば米中の力関係が逆転するという矛盾を孕んだ戦略なのである。
(本郷猛)

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