近年、日本の医療保険制度が米国型に換えられようとしている動きがある ![]()
この原因を分析をしている興味深い本がありますので、一部紹介します 😀
引用させていただく本は『姿なき占領ーアメリカの「対日洗脳工作」が完了する日』京都大学名誉教授 本山美彦著 ビジネス社発行。
1990年代後半から現在まで、保険業界で世界的なM&Aブームが続いている。保険を商品として売るだけでは、保険会社が生き残られなくなったからであり、同時に「競争条件」が劇的に変化したからである。
規制緩和という名の下に、医療機関がコスト競争をするようになった。今、医療保険会社が、世界の医療機関と医師を「自己の傘下」に収めようとしている。動員できる医療機関が多いほど、保険会社の競争力が強くなるからである。医療保険会社は自ら大きくなり、できる限り医療機関と医師を傘下に取り込もうとしている。
そうした事情から、世界的なM&Aが横行するようになった。
1997年1月。フランスの2大保険グループ「アクサ」と「UAP」が合併し、資産規模で世界最大の民間保険グループが誕生した。アクサがフランス最大の保険会社UAPを買収したのである。小が大を飲み込む合併だった。
UAPはそれまで国有会社だった。民営化された途端に、内外で買収を繰り返してきたアクサに吸収されてしまったのである。
次いで、1997年10月から98年初めにかけて、フランス第2位の「AGF」を買収しようと、イタリア最大の「ジェネラリ」とドイツ最大の「アリアンツ」が争った。その結果、AGFの本体はアリアンツに、AGFのドイツ子会社等がジェネラリに買収されることになった。
この年、米国でも保険関連のM&Aが、過去最高水準に達した。医療を含む保険業界のM&Aは、1992年に107件、60億ドル強であったが、1996年には135件、244億ドル強と4倍になったのである。医療保険に限定すると、92年の30億ドル強から100億ドル強の3倍以上になった。
「マネージド・ケア」システムの勢いが強まったことも、M&A横行の大きな理由の1つである。マネージド・ケアの日本語訳は、「管理型医療」である。
米国の「公的」な医療保険制度は、65歳以上の高齢者を対象とした「メディ・ケア」と低所得者向けの「メディ・ケイド」の2種類しかない。前者は、2005年時点で、3800万人、後者は、3300人弱に給付している。つまり、人口の26%だけが公的保険でカバーされているにすぎない。
従って、65歳未満で、ある程度の所得のある74%の人々は、「民間」の医療保険制度に加入しなければならない。
マネージド・ケアが出現する前の米国の民間医療保険制度は、保険の加入者およびその家族は全米のどこの病院・医師の診療を受けられ、入院できるものだった。この面だけについてみれば、日本の公的医療保険制度と同じであった。加入者にとっては、有り難いものであった。
しかし、支出方法はやっかいなものだった。加入者は、治療を受けると、実費の全額を支払い、その額を保険会社に請求するという手続きを踏まねばならなかった。
保険会社も、患者に請求された医療費が妥当なものか否かの判断を行わなければならなかった。医療機関側も、出来高を大きくするために、過剰な診療、投薬、検査の誘惑にかられるという傾向があった。こうして保険会社は、支払わなければならない医療費の高騰に苦しめられていた。
米国の経済にとって医療費の増加は深刻な問題である。米国の国民医療費のGDPに対する割合は、2000年で18%であった。このままいけば、2030年には32%に達するだろうと予測されている。もちろん先進国の中で際立って高い。
こうした医療費の高騰を抑制するという名目の下に鳴り物入りで登場してきたのが「マネージド・ケア」である。
この「マネージド・ケア」による(悪)影響がどのようなものかが、同書にかかれているので、後日投稿したいと思います 😀