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闇の支配勢力の矛盾~「対テロ戦争」に代わる世論統合の答えがない

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6月27日の記事「現在のアメリカと日本の情勢 [1]」を読んで、「アメリカの闇の支配勢力って何?」 という疑問が生まれた。
解明のための叩き台として、『暴かれた「闇の支配者」の正体』(ベンジャミン・フルフォード 扶桑社)を引用する。

露骨に親イスラエルを明確にしている人々は、ブッシュ政権中枢にも大勢いる。チェイニー副大統領、ラムズフェルド前国防長官、ボルトン前国連大使、ウォルフォウィッツ世界銀行総裁(前国防長官)など、「ネオコン」(新保守主義)思想の影響を受けた政治家たちだ。

親イスラエル勢力は、今や議会をも支配しているといっていい。イスラエルに有利な政策を推進する政治家をサポートし、批判的な政治家を落選させるための組織が巨大な影響力を行使しているからだ。その組織は「アメリカ=イスラエル公共問題委員会」(AIPAC)という。AIPACはアメリカとイスラエルの同盟関係強化のため、議員、政策立案者、オピニオンリーダーを”教育”する基盤作りを目的とした組織で、「全米ライフル教会」をしのぐ力を持つ、最強の圧力団体とまで言われている。

親イスラエル勢力がメディアを牛耳り、イラク戦争を煽り、金持ち優遇政策を推進・喧伝していることで、確実に得をしている人間たちがいる。その連中こそ、日本や世界中の中でさまざまな謀略を仕掛け、莫大な富を得ている”闇の権力”にほかならない。
結論からいうと、”闇の権力”とは、石油産業・軍事産業・金融資本を掌握している人間たちである。親イスラエル勢力と”闇の権力”は、メンバーは部分的には重なってはいるものの、完全に一心同体の存在ではない。南部の貧しい白人たちの中にも親イスラエル勢力は存在する。また、現共和党政権やネオコンも”闇の権力”とすべてかぶるわけではない。”闇の権力”の支配に対して闘っている人もいる。

「”闇の権力”はアメリカの世界支配を狙う石油産業、軍事産業、国際金融資本と、それを利害関係を持つ政治家、官僚、学者、メディア人の秘密結社である」 
この中核にいるのが、互いに姻戚関係で結ばれ、あるいは相互に自社の取締役を務める”華麗なる一族”たち、つまり、ロックフェラー一族、ブッシュ一族、ハリマン一族、ウォーカー一族など政官財すべてに強力な力を持つ名族である。彼らの目的は、アメリカ中心の世界支配を完成させ、永続させること。具体的には、中近東の石油を奪い取り、中国・ロシアを制することである。

中間選挙で共和党が負けたのは、金持ち優遇や公共サービスの低下にウンザリしたアメリカ人の意思表示であることは本章の冒頭で説明した。(中略)金持ち・大企業減税や福祉切り捨てによって、アメリカ人の2割だけが豊になり、残り8割の生活水準は大幅に低下した。イラク戦争で国民は疲れきっている。このやり方はもはや合理的ではないと、”闇の権力”も気づき始めている。少しは国民に富を分配しないと早晩ガス欠を起こしてしまうし、内実を暴露された”対テロ戦争”に代わる新しい国民的課題も用意しなくてはならない。そこで、共和党の政策である「小さな政府」から、国家が積極的に公共事業や社会保障を行うケインズ的な政策に戻る機運が高まってくるだろう。

とはいうものの、アメリカ国内で見る限り、必ずしも”弱者に優しい政治”の復権にはならないおそれが強い。選ばれた民主党議員のリストを見てみると、共和党と同じようなことを主張している政治家が多い。これは経済政策だけではなくイラク戦争についてもそうだ。

結局、このような歪んだ政治は、ロックフェラーなどの一部の大資本を中心とする”闇の権力”が解体されない限り、何も変わらない。この勢力は、共和党だけでなく民主党をも操っている。外交問題評議会や、ビルダーバーグ会議には民主党議員も多数参加しているし、民主党の大統領選挙資金の6割はAIPACなどイスラエル・ロビーが用意していたという現実がある。”闇の権力”が支配権を握っている以上、抜本的な変化は期待できない。

とはいえ、共和党のネオコンを選択するか、民主党を選択するかに関しては、”闇の権力”内部でも割れている状態だ。
今、ロックフェラー一族が内紛を起こしているといわれている。3代目にあたるデヴィッド・ロックフェラーと、4代目のジョン・ロックフェラーが、今後のアメリカの世界戦略を巡って対立しているようだ。デヴィッドは、アメリカによる強引な新世界秩序確立を目指しさまざまな策動を繰り広げてきたが、ジョンはもう少し穏健派だと見られている。どちらかというと民主党に近い政治構想の持ち主のようだ。最近、アメリカの政治が何も決められない状態になっているのは、この両者の対立も影響しているのかもしれない。

ベンジャミン・フルフォード氏のこの記述によると、
①闇の支配勢力はアメリカからの離脱を考えているわけではなさそう。確かに、金融資本は、ある意味お金=数字だけの世界で、離脱と移行は比較的容易だが、石油産業や軍事産業をアメリカから離脱させることは難しい。アメリカから離脱することは、石油産業と軍事産業を捨てるに等しい所業である。アメリカからの離脱を本当に考えているのだろうか?
闇の支配勢力と表の政治勢力ともに「対テロ戦争」を大義名分にアメリカの国民世論を統合してきた。闇と表を媒介したのが、親イスラエル勢力らしい。1990年ソ連崩壊までは、ソ連を敵として国民世論を統合できたが、ソ連に代わる「敵」が必要になった。それが、1990年代初頭からイラクを始めとして「敵」をデッチ上げ、侵略を拡大した理由ではないだろうか。
③ところがいよいよ、「対テロ戦争」を大義名分とした世論統合に、限界・矛盾が露呈した。新たな国民統合課題の必要に迫られており、その答えが未だ見つかっていないのではないか。「ロックフェラー一族の内紛」と書かれているが、闇の支配勢力も「対テロ戦争」に代わる統合の答えがないがゆえに、混迷を深めているのではないだろうか。
(本郷)

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