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医療現場を崩壊に招くマスコミ報道

 産婦人科医や小児科医の不足が叫ばれているが、リスクを伴う難しい手術の担い手達も病院を去っているようだ。激務という理由だけでなく、医療ミスを巡る「マスコミの魔女狩報道」が原因のひとつ、と指摘されている。
http://www.j-cast.com/2007/05/16007526.html [1]
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 記事の中で、虎の門病院泌尿器科の小松秀樹部長(57)は、「慈恵医大青戸病院事件」の医師逮捕事件を中心とする報道問題について以下のように答えている。

 青戸病院では、準備にそれなりの努力がなされていた。普通に輸血が行われていれば患者が死亡することはなかった。患者への説明内容が文書として残されていなかったことも、説明不足として、医師側の「けしからん」点の柱の一つと報道されたが、逮捕は当然とでもいうような文脈で使って良かったのか。輸血が遅れたことは、確かに非難されるべきことだ。これについては、民事上訴えられても仕方ないと思う。しかし、輸血は執刀医の問題ではない。当時、青戸病院では輸血システムに明らかな問題があった。また、術中の輸血は麻酔医が管理すべきものである。執刀医が逮捕されて当然とはならないはずだ。民事に比べ刑事責任を追及されるのは、医師にとって格段に重みが違うのに、報道にその差を真剣に考える姿勢はないと感じた。
こうした報道の姿勢が医師たちを萎縮させ、危険を伴う治療を避け、難しい手術が回ってくる科や大規模病院を敬遠する「立ち去り型サボタージュ」と言える流れを加速させている。事件の件数は多くないが、衝撃の度合いは大きい。警察や検察、裁判所の考え方にも報道が影響を強く与えているとも感じている。

マスコミによる報道被害は、直接攻撃された個人や企業だけの問題ではない。みなが生命を預ける医療現場をも崩壊させつつある。
同記事に対する2つのコメントが印象に残った。

私はマスコミの人間ですが、(中略)医者は高給をとって、人には先生と呼ばれています。だったらその職責を果たしなさい、と。いずれにしても、医師諸君は、私たち弱い立場の者であっても言いなりにはならない、常に監視された元にあると自覚していただきたいものです。その為にマスコミはあるのですから、(後略)

(前略)マスコミには医師よりも高給をとっているところが多いですし、第4の権力といわれるくらいですから、医師よりも強い立場に立っていると感じられます。医師は常に行った医療について説明責任や結果責任を問われています。しかし、マスコミは書きっぱなし、放送しっぱなしで、書いた記事や放送した内容に関して現場からの疑問や反論に対する説明責任を果たすわけでもなく、その影響の強さから生じる結果責任についても無頓着です。(後略)

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