
すっかり話題から遠ざかったように見える郵政民営化ですが、2007年10月の民営化に向けて、ちゃくちゃくと事は進んでいます。そんな中、アメリカから届いたニュース。
郵政民営化、不公平ならWTO提訴も・米USTR代表
シュワブ米通商代表部(USTR)代表は14日、日本の郵政民営化について米国企業と公平な競争条件を保てないと判断すれば、世界貿易機関(WTO)への提訴も辞さない厳しい姿勢で臨む考えを明らかにした。米下院の歳入委員会の公聴会で発言した。郵政民営化の進め方について「非常に注意深く監視している」と強調。法的な措置をとる可能性について「必要なら模索する」と語った。
米側が特に問題にしているのは貯金と保険の分野で米国系企業が不利にならないようにすること。米生命保険協会は1月末、民営化で10月に発足するゆうちょ銀行とかんぽ生命保険に関して新規事業の拡大を政府が早期に認めるのに反対する意見書をまとめた。
USTRは「民営化に反対しているのではなく、不公平な措置がないかどうかを点検している」と説明してきた。シュワブ代表がWTO提訴の可能性にまで踏み込んだ背景には、ブッシュ政権の求心力が低迷する中で、議会や業界に強硬な対日姿勢を印象づける狙いもあるようだ。2007年2月15日 日経新聞 [1]
シュワブ代表に問題にされたのは↓
郵便貯金銀行及び郵便保険会社の新規業務の調査審議に関する所見 [2]
この所見の中で、ゆうちょ銀とかんぽ生命が、09年に予定されている上場の前に、新規業務に参入する、という方針が明らかにされています。
政府による暗黙の保証が払拭できない段階での業務拡大は”護送船団方式の復活”であり、日本で業績を伸ばしている米系生保の不利になるような民営化方針をしたら、WTOへ提訴するぞ、という脅しです。
↓「意見書」という題名の脅迫状PDF
在日米国商工会議所による意見書 [3]
いわゆる年次改革要望書にも、この文言は記載されています。
日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく日本国政府への米国政府要望書2006(PDF) [4]
II-A-3. 暗黙の政府保証
日本政府が郵政金融機関の政府保有株式を完全売却するまで、2007年10月以降に提供する商品に政府保証が付されないことを消費者や市場に周知させるため有効な方策を講じる。加えて、実際の販売方法を注意深く監視し、関連法を執行して、2007年10月以降の新勘定および契約にも政府保証が付いているかのように偽って伝えることがないようにするとともに、郵政金融機関が政府との関係をてこに市場の競争相手より優位な地位を獲得するようなことがないようにする。
資源のない国の日本人が、一生懸命働いて貯めてきた大事なお金が郵貯・簡保の350兆円です。
郵貯が国有であったならば、さすがにこんな脅しは内政干渉です。
しかし、民営化したとたんにWTOの俎上に載せられてしまうのです。
小泉構造改革の目的である”日本人の財産を外国人に売り渡す”という本質が明らかになったニュースではないでしょうか。
