[1]
昨年11月の米中間選挙で民主党が勝利したが、闇の支配勢力 [2]にとってはこれも「想定の範囲内」! 彼らは、2008年の大統領選挙を見据えて、次の大統領が共和or民主どちらに転んでも良いように、しっかり布石を打っていた
次に進む前に、応援よろしくお願いします
以下、『副島隆彦の学問道場』の記事「今日のぼやき 807」 [3](by アルルの男・ヒロシ氏)より。
結論を言えば今回の選挙でイラク政策に関する超党派体制ができあがった。これは選挙前から決まっていたことである。
私は6月くらいから、ウォール街の政治資金の配分に異変が発生しており、今回はゴールドマン・サックスなどの金融資本が民主・共和両方に平等に資金を配分していることに気が付いていた。その後、9月末から選挙直前までのアメリカの支配層の動きを見ていると、今回の選挙では民主党を勝たせて、政府共和党との均衡状況を作り出したことを前提にした政策論文が発表されていたことに気が付いていた。
(中略)
今回の政変は、もちろん選挙民のブッシュ政権に対する無策さの怒りを反映したものであることは間違いないのだが、アメリカの真の支配層であるウォール街からすれば、すべては「想定の範囲内」ということなのである。
イラク政策を現在取り仕切っているのは、ブッシュ大統領やチェイニー副大統領ではなく、超党派のシンクタンクである「イラク研究グループ」(ISG)である。
このISGは、ジョージ・ハーバート・ウォーカー・ブッシュ元大統領の下で国務長官を務めたジェイムズ・ベイカー3世と「9.11調査委員会」の副議長を務めたリー・ハミルトン元民主党下院議員がリーダーとなっている研究グループであるが、実際はアメリカの政財界を支配する外交問題評議会(CFR)の別働隊となっている。
東部エスタブリッシュメントと言われる多国間協調を重視し、イギリスのミルナー・グループやラウンドテーブルの精神を受け継いでいるCFRはかつてはチェイス・マンハッタン銀行頭取を務めたデヴィッド・ロックフェラーが会長を務めたこともある組織だ。現在、名誉会長になっているのは、アメリカの投資ファンド「ブラック・ストーン・グループ」を率いるピーター・ピーターソン元商務長官である。彼はロックフェラー家が創立した「ジャパン・ソサエティ」や、「ロックフェラーセンター」の重役会メンバーである。
(中略)
ブッシュ大統領率いる共和党は、この外交問題評議会からいよいよ「ダメ出し」をされたわけだ。今回の選挙の前から、ラムズフェルドは更迭され、後任にはジェイムズ・ベイカーが就任するのではないかとの噂が流されていた。実際はベイカー本人がISGの会長を務めている関係から、ベイカーと関係が深く、ブッシュ元大統領とも親密なジョージ・ゲイツ元CIA長官が国防長官に就任することになったが、いずれにせよ、ブッシュ政権末期のアメリカの外交政策は、ジェイムズ・ベイカーと外交問題評議会中心に回っていくだろう。
ブッシュ共和党政権の支持率低迷を受けて、国際金融資本=闇の支配勢力は、中間選挙で共和党と民主党の均衡を狙った。
狙い通りの結果を得た後は、超党派体制を組んで外交・イラク政策の主導権をブッシュから奪うことで、次期大統領選挙までの支配体制を磐石なものにしたということだろう 8)
by ヤガ
「外交問題評議会」(CFR) 関連記事 [4]
「イラク研究グループ」(ISG) 関連記事 [5]