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豊田商事詐欺事件にみるもうひとつのアリとキリギリス 

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この事件の背景を手繰っていくため、アメリカに目をむけると・・・
 1980年ごろのアメリカ経済は、レーガノミックス=減税と軍拡により、双子の赤字(財政赤字、経常赤字)でどん底の状態だった。貯蓄よりも目先の消費。つまりキリギリス。そして、赤字解消の標的にされたのは、日本。対日赤字が突出しており、この是正のために円高ドル安の協調介入をG5で合意した。これがプラザ合意。
 一方、日本では1970年以降、貧困の消滅によって市場は飽和し、ほしいものはあまりないが、無理やり消費を捏造していくしかなく、プラザ合意によって懸念される輸出競争力を維持するため、低金利政策をとらざるを得なかった。国家レベルの詐欺である。一方で金余り状態が蓄積していく。まさにアリのよう。
 その状況で、この豊田商事詐欺事件がおこる。事件史探求 昭和60年代 豊田商事詐欺事件 参照http://gonta13.at.infoseek.co.jp/index.htm [1]
 被害額はなんと2000億円という。ひとりぐらしの老人を騙しつづけた金額である。天誅を加えた犯人に情状酌量あったのがせめてもの救いである。
 時代はこのあと、低金利により、投資先を土地・株へと収束させバブル経済で浮かれることとなり、現在にいたるまで、詐欺は跡を絶たない。
 市場原理の本質とは、国家間であれ個人間であれ、まさにこの詐欺に過ぎない。という典型な事件だ。
 アリにたとえられるものは、本来の人間がもつ集団性、規範性、対象同一性などの失ってはいけない価値である。
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